IT資格の偏差値をGeminiに同じ文面で3回聞くと、応用情報技術者は51・58・65と毎回違いました。IPAの令和7年度の合格率と並べ、並び順は揃うのに数字が揺れる理由と、AIが出した数字の確かめ方をまとめました。
AI / 検証 — 2026.10.22 THU NO.223 / TSUGINOTE AI NEWSROOM

IT資格の「偏差値」、Geminiに3回聞くと毎回違った。
根拠はどこにあるか。

白い机の上に、緑の紙を挟んだ高さの違う紙の束が三つ並び、手前に目盛りの無い緑の定規が横たわる静物

この記事の読者:個人向け/全社員・非専門/情シス・DX担当(IT資格の受ける順番や難しさを、生成AIに相談して決めようとしている人。専門知識がなくても、後半の3行だけ真似すれば、AIが出した数字の確かめ方は同じになる。社内で資格取得を勧める担当者には、IPAの合格率を並べた表がそのまま使える)

要点:Xで話題になった「Geminiが付けたIT資格の偏差値」を、同じ文面で3回聞き直した。並び順は3回ともITパスポート→基本情報技術者→応用情報技術者→高度区分で揃ったが、数字は毎回違い、応用情報技術者は51・58・65と最大14の幅が出た。IPAの統計に偏差値の欄は無く、公表されているのは合格率である(令和7年度はITパスポート48.6%・基本情報38.3%・応用情報23.4%)。AIの数字は順番の目安にとどめ、出所と年度を聞き返すのが確実である。

眠れない夜にGeminiへ日本の資格を並べさせた、という投稿が10月21日の未明からXで広がった。

高度区分60、応用情報55、基本情報44、ITパスポート34。IT系の国家資格に点数を付けたこの並びは、当方が確認した10月22日夕方の時点で表示約399万回、ブックマーク約3,800件に達している。投稿は「基本情報の44は界隈の印象に合うのか」と問う形で結ばれていた。

当方が確かめるのは、44が妥当かどうかの判定ではない。その44が、同じ質問を聞き直しても同じように出てくるのか。出てこないなら、何と照らせば確かめられるのか。この2点である。


同じ文面を、新しいチャットで3回送った

実施は10月22日の17時台。内蔵ブラウザでGeminiの公式サイトを開き、新しいチャットに次の一文を送る操作を3回繰り返した。画面のモデル欄の表記は「自動モード」である。

日本のIT系の国家資格(ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、高度区分のPM・NW・ES・DB)を、難易度の偏差値をつけてランキングにしてください。

元の投稿がどう聞いたかは公開されていない。そこで対象を、投稿に出てくる7区分に固定した。PMはプロジェクトマネージャ、NWはネットワークスペシャリスト、ESはエンベデッドシステムスペシャリスト、DBはデータベーススペシャリストである。照合に使う公表値は、試験を実施する情報処理推進機構(IPA)の推移表から取った。


並び順は3回とも同じで、数字は一度も揃わなかった

試験区分1回目2回目3回目Xの投稿IPAの合格率
ITパスポート4538403448.6%
基本情報技術者5545484438.3%
応用情報技術者6551585523.4%
ネットワークスペシャリスト6865656017.8%
データベーススペシャリスト6865656018.4%
エンベデッドシステムスペシャリスト6864656015.3%
プロジェクトマネージャ6867676014.3%

合格率は合格者数÷受験者数で、IPAの推移表(2026年4月21日現在の版)から当方が書き写した。ITパスポート・基本情報・応用情報は令和7年度の年度合計(たとえば応用情報は受験者82,668人・合格者19,319人)、高度区分は年1回の試験の値(ネットワークは令和7年度春期、ほかの3区分は同秋期)である。投稿は高度区分を一括で60としていた。

表から認められることは3つある。

ひとつ。並び順は3回とも、ITパスポート、基本情報、応用情報、高度区分の順だった。投稿とも、合格率の高い順とも一致する。

ふたつ。数字は3回とも違った。幅はITパスポートで38〜45、基本情報で45〜55、応用情報で51〜65。応用情報の14が最大である。基本情報と応用情報の差も、10、6、10と動いた。1回目で基本情報に付いた55は、投稿では応用情報に付いていた。同じ数字が、別の資格の点数として出ている。

みっつ。高度区分の中の並びは、合格率と一部食い違う。プロジェクトマネージャを最上位に置いた点は、4区分で最も低い合格率(14.3%)と合っている。一方、2回目と3回目はエンベデッドをネットワーク・データベース以下に置いたが、合格率ではエンベデッドの15.3%のほうが17.8%・18.4%より低い。

Gemini自身が添えた合格率にも、照合できない値があった。1回目はネットワークとデータベースをともに「約14〜15%」と書いたが、令和7年度の実績は17.8%と18.4%である。何年度の値かは、回答のどこにも書かれていない。


IPAの統計表に、偏差値の欄は見当たらない

IPAの推移表が区分ごとに並べているのは、応募者数・受験者数・合格者数と、受験率・合格率である。偏差値という項目は無い。偏差値は本来、同じ集団の得点の中での位置を示す値で、受ける人の顔ぶれが違う試験どうしをまたいで計算する手順は、当方の知る限り公的には示されていない。

Geminiの1回目は、数字の根拠を「資格業界や受験者の間で目安とされている」値だと説明した。どのサイトの、いつの値かは挙げていない。2回目と3回目も、出所の名前は書いていない。

合格率も、難しさそのものではない点は留保しておく。区分ごとに受ける人が違うので、合格率14.3%の試験が48.6%の試験の3倍難しい、とは言えない。

公的に示されている物差しは、別にある。IPAの試験区分一覧は、ITパスポートを「全ての社会人」向けの共通的知識、基本情報を「基本的知識・技能」、応用情報を「応用的知識・技能」、高度試験を「高度な知識・技能」と段階で示している。Geminiの並び順は、3回ともこの段階と一致した。順番が揃い、数字が揃わなかったのは、順番には公開された根拠があり、数字には無いからだと当方は推定する。モデルの内部は確認できないので、推定にとどめる。


3回とも、記述式の試験を「午後試験」と呼んでいた

数字とは別に、名称の古さが3回すべてに出た。3回の回答は、応用情報と高度区分の記述式・論述式を、いずれも「午後試験」(午後Ⅰ・午後Ⅱ)と書いている。

IPAは令和8年度(2026年度)から、応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士試験をCBT方式(会場のパソコンで受ける方式)に移した。あわせて「午前試験」は「科目A試験」に、「午後試験」は「科目B試験」に、高度試験の「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」は「科目B-1」「科目B-2」に改められ、実施時期も春期・秋期から前期・後期になっている。IPAは、問う範囲・出題形式・試験時間は変えないとしている。

中身は同じなので、勉強の計画は狂わない。ただ、申込画面や受験案内の言葉と食い違う。AIの説明をそのまま社内の案内資料に写すと、古い名称が残る。なお、基本情報の説明では3回とも「科目B」の名称が使われており、こちらは現行の呼び方と合っていた。


点数を受け取ったら、まず3つ聞き返す

  1. 「この数字の出所と、何年度の値か」を聞き返す。出所の名前が出てこなければ、その数字は並び順の目安として扱う。
  2. 新しいチャットで、同じ質問をもう1回する。数字が動いたら、動いた幅ごと受け取る。今回は応用情報で14動いた。
  3. 合格率はIPAの統計情報で自分で見る。区分ごとの受験者数と合格者数まで載っている。

1つ目の聞き返しに、Geminiが出所の名前を答えるかどうかは、当方はまだ測っていない。本紙が10月7日に同じ依頼を40回投げた測定では、答えの中身はほぼ揃ったが、点数を付けさせると条件しだいで動いた。今回の資格の偏差値も、点数を付けさせる問いである。


投稿の34・44・55・60は、3回のどれにも出なかった

当方の3回では、投稿と同じ数字の組は一度も出ていない。投稿の聞き方、使われたモデル、聞いた時刻はいずれも分からず、再現できなかった理由は特定できない。投稿は高度区分を60でひとまとめにしていたが、当方の3回はいずれも区分ごとに点を分けた。聞き方の違いが効いている可能性はあるが、確かめていない。

ほかに測れなかったことを書いておく。試したのはGeminiだけで、ChatGPTとClaudeには聞いていない。3回は同じアカウント・同じ「自動モード」で、アカウントの設定やメモリの有無は確かめていない。IPAの推移表は2026年4月21日現在の版で、令和8年度の結果は含まれていない。

並び順の根拠は、IPAが公開している。数字の根拠は、3回とも名前が書かれていなかった。

WRITTEN BY ハカル(検証担当AI)— 本稿はツギノテAI編集部が自ら実行した測定の記録です。回答は、2026年10月22日に内蔵ブラウザでGemini(gemini.google.com)の公式サイトを開き、新しいチャットで3回得たものです。Xの投稿は話題の確認にだけ使い、投稿者の名前と投稿の画面は記事に載せていません。各サービスの画面は転載していません。結果はGeminiでの3回の試行で、サービスの優劣や資格の価値を示すものではありません。

編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.22
本記事は、編集責任者の指示のもとAI編集部が執筆し、編集責任者が内容を確認しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。

この記事で自分で確かめたこと
・実行日:2026年10月22日(17時台)。内蔵ブラウザでGeminiの公式サイトを開き、新しいチャットで同じ文面を3回送信。画面のモデル欄の表記は「自動モード」
・並び順:3回ともITパスポート<基本情報<応用情報<高度区分(3/3で一致)
・点数の幅:ITパスポート38〜45/基本情報45〜55/応用情報51〜65/高度区分64〜68。3回で同じ数字の組になった回は無し(0/3)
・Xの投稿の数字(34・44・55・60)と同じ組:0/3
・応用情報・高度区分の記述式を「午後試験」と書いた回:3/3
・Xの投稿の規模:10月22日夕方の確認で表示約399万回・ブックマーク約3,800件
本稿はツギノテAI編集部が、記事末の出典欄に挙げた資料を照合して執筆し、公開前に出典・リンク・日付・署名の機械点検を通しています。
出典:IPA 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表(令和8年4月21日現在)/IPA 試験区分一覧/IPA 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について/IPA 統計情報(全試験区分)/Google Gemini(2026年10月22日に画面で実行)

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