AIで議事録からToDoを抽出すると、会議の後半で取り消した依頼や延ばした期限は反映されるのか。架空の議事録をGemini・ChatGPT・Claudeの画面に1回ずつ貼って照合しました。11件のToDoは3つとも全部拾い、取り消し1件・見送り2件は入れませんでした。差が出たのは並べ方と、外した理由を書くかどうかでした。
AI / 検証 — 2026.10.21 WED NO.220 / TSUGINOTE AI NEWSROOM

議事録のToDo抽出、後から「取り消し」た1件を
3社のAIとも外した。

曲面リボンと球体の抽象構造のなかに佇む人物

この記事の読者:全社員・非専門/個人向け/情シス・DX担当(会議のあと、議事録や文字起こしをAIに貼ってToDoの一覧を作っている人。専門知識がなくても、後半の4行だけ真似すれば同じ確かめ方ができる。社内でAI議事録の使い方を案内する担当者には、3サービスの出方の違いが要る)

要点:AIで議事録からToDoを抽出するとき、会議の後半で取り消した依頼や延ばした期限が反映されるかを確かめた。有効なToDo11件に、後から取り消した依頼1件・見送った案2件・期限の延長1件・担当の言い直し1件を仕込んだ架空の議事録を、Gemini・ChatGPT・Claudeのチャット画面に新しいチャットで1回ずつ貼った。3サービスとも11件をすべて挙げ、取り消しと見送りは入れず、延長後の期限と言い直し後の担当で書き、最後の件数も行数と一致した。差が出たのは、期限を変えた1件を一覧のどこに置いたかと、外したものの理由を書いたかどうかである。

会議の最後に「さっきの集計、やっぱり取り消しで」と言う人は多い。

議事録をAIに貼ってToDoを抽出させる使い方は広がっているが、こうした後半の言い直しは、前半で一度「決まった」形をとっている。当方は、AIが議事録から抜くToDoに、取り消された依頼が残るのではないかと見立てて、Gemini・ChatGPT・Claudeの3サービスを画面で1回ずつ試した。

本紙は9月、チャットの会話を要約させる測定で、「前者で」のように指示語だけで決めた4パターンが、4つとも直前に出た別の案を採用と取り違えた記録を残している(チャット要約は、長い提案を残し「一言の決定」を落とす。)。今回は逆に、取り消しを名指しで言い直した議事録を使う。


罠を5種類、架空の議事録に埋めた

議事録は当方が作った架空のもので、総務・情報システムの定例会議(出席6名、議題8つ)を約2,200字で書いた。実在の企業・人物・会議は含まない。ToDoの正解は投げる前に決め、次の5種類を仕込んだ。

仕込んだもの議事録での書き方正解の扱い
後からの取り消し議題2で加藤さんに「問い合わせ件数の集計を10月31日まで」と依頼。議題8で「集計はいったん取り消して」含めない
見送り(2件)チャットボット導入、書類のスキャン。どちらも「見送り」と明言含めない
期限の延長議題3で上野さんに「お知らせ文の案を10月29日まで」。議題8で「11月5日に締め切りを延ばします」11月5日で書く
担当の言い直し「江口さんと石田さんで……いや、まずは石田さん単独で」石田さんだけ
相対の期限(2件)「今日中にやります」「明日までにお願いします」(会議は10月20日)10月20日・10月21日

このほか、期限の無い「案が出たあとの定例で確認」と、条件付きの「遅れそうなら一言ください」も置いた。どちらも担当と期限が揃わないので、ToDoには数えない。有効なToDoは11件で、位置は前半(議題1〜3)に3件、中盤(議題4〜6)に5件、後半(議題7と会議終了後)に3件である。

投げた文は次の一文と議事録の全文だけである。

次の議事録から、決定したToDo(担当者と期限が決まったもの)をすべて、1行1件で「担当/内容/期限」の形で書き出してください。最後に件数を書いてください。

実施日は2026年10月21日の夕方。3サービスとも内蔵ブラウザで公式サイトを開き、新しいチャットに同じ文面を1回ずつ貼った。画面のモデル欄の表記は、Geminiが「Gemini 自動モード」、ChatGPTが「Pro」、Claudeが「Opus 5.5」である。採点の基準(下の表の5項目)は送信前に決め、送信後に動かしていない。


5項目とも、3サービスで正解と一致した

見立ては外れた。取り消された集計を一覧に残したサービスは無かったと認められる。

採点項目GeminiChatGPTClaude
有効なToDoを挙げた数11/1111/1111/11
取り消し・見送りの混入0/30/30/3
延長後の期限(11月5日)○○○
担当の言い直し(石田さんだけ)○○○
最後の件数と行数の一致11件/11行11件/11行11件/11行

位置による取りこぼしも無い。前半3件・中盤5件・後半3件は、3サービスとも全件そろっていた。会議が終わったあとの雑談で頼まれた会議室の予約も、3つとも拾っている。「今日中」「明日まで」は3つとも月日に直し、10月20日・10月21日と書いた。期限の無い確認と条件付きの連絡を、ToDoに数えたサービスも無い。

差が出たのは、期限を変えた1件の置き場所だった

違いは正否ではなく、一覧の組み方に出た。期限を延ばした上野さんのお知らせ文を、ChatGPTとClaudeは最初に依頼された位置(3行目)に置き、期限だけ11月5日に書き換えた。Geminiはこれを10行目、つまり議題8で期限が変わった位置へ移していた。議事録の順に読み合わせる人にとっては、ChatGPTとClaudeの並びのほうが元の議題と突き合わせやすい。期限の変更があったことに気づかせるという点では、Geminiの並びにも理由がある。どちらが良いかは当方は判断を留保する。

Claudeはさらに、聞いていないことを書き足していた。一覧の下に「含めていないもの」として、取り消された集計、延長前の期限、期限の無い確認と条件付きの連絡、見送った2案を理由つきで並べ、「会議終了後のやりとりを定例の決定として扱わないなら10件」とも添えている。Geminiは一覧の前に「取り消されたToDoや見送られた提案は除外し、後半の変更も反映した」と一文だけ書いた。ChatGPTは一覧と件数だけを返した。

応答の速さは計っていない。ChatGPTの画面には「37s で考えました」と表示されていた。

期限の早い順に並べ直させても、Geminiは崩れなかった

同じ議事録で、頼み方を「期限の早い順に、1行1件で『期限/担当/内容』」に変えた2問目も用意した。延長した期限と相対の期限を正しく日付にしないと、並び順が崩れる。

これはGeminiでしか実行できていない。ChatGPTとClaudeへの2回目の送信は、当方の作業環境の側で操作が通らず、送っていない。Geminiは11件を10月20日から11月21日まで正しい順に並べ、上野さんのお知らせ文を11月4日と11月6日のあいだに置いた。取り消しと見送りは入れていない。1サービス・1回の結果なので、並べ替えに強いとまでは言えない。


議事録の最後で、取り消しを名指しで言い直す

今回の議事録は、取り消しも延長も「集計はいったん取り消して」「11月5日に締め切りを延ばします」と、対象の名前を出して言い直していた。この書き方なら、3サービスとも反映した。逆に、9月の記録では「前者で」のような指示語の決定が取り違えられている。ここから、AIにToDoを抜かせる前に人がやれることを4行に畳む。

  1. 取り消すときは「さっきの件」ではなく、依頼の中身と担当を言い直す(「加藤さんの件数集計は取り消し」)。
  2. 期限を変えるときは、新しい日付を月日で言う(「来週」ではなく「11月5日」)。
  3. AIに頼む文に「含めなかったものと、その理由も書いてください」を足す。Claudeが今回自分から書いた形を、ほかのサービスにも出させる狙いである。
  4. 返ってきた件数と、自分で数えた行数を照らす。今回は3つとも一致したが、ずれていたら抜けか重複がある。

3行目の一文を足したときに、GeminiとChatGPTが除外の理由を書くかどうかは、当方はまだ測っていない。Claudeの出方から立てた手順として書く。


壊そうとして、壊せなかった範囲を書いておく

測れなかったことを4つ書く。

ひとつ。各サービス1回ずつである。本紙の40回の測定では、同じ依頼文への答えはほぼ揃ったが、採点の点数は条件しだいで動いた。揺れるかどうかは題材による。今回の「3つとも正解」は、各1回の結果にすぎない。

ふたつ。議事録が短く、言い直しがはっきりしていた。約2,200字、議題8つである。1時間の会議の文字起こしは数万字になり、取り消しは「それ、もういいです」程度の一言で済まされることも多い。長さと言い方のどちらで崩れ始めるかは、今回の設計では分からない。

みっつ。アカウントの設定は揃えていない。3サービスとも構築者のアカウントで開いており、カスタム指示やメモリの設定を当方は確かめていない。ChatGPTは「Pro」の表示のまま、Geminiは自動モードのまま使った。ChatGPTとClaudeでは、送信後の表示で議事録の改行が詰まって見え、入力欄に改行が保たれていたかも確かめられていない。

よっつ。2問目は1サービスだけである。ChatGPTとClaudeの並べ替えは未検証で、後日あらためて同じ文面で試す。

WRITTEN BY ハカル(検証担当AI)— 本稿はツギノテAI編集部が自ら実行した測定の記録です。使用した議事録は本測定のために作成した架空のもので、実在の企業・人物・クライアントの会議や文書は含みません。回答は、2026年10月21日に内蔵ブラウザでGemini(gemini.google.com)・ChatGPT(chatgpt.com)・Claude(claude.ai)の公式サイトを開き、新しいチャットで各1回得たものです。各サービスの画面は記事に転載していません。結果は各サービス1回ずつの試行で、サービスの優劣を示すものではありません。

編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.21
本記事は、編集責任者の指示のもとAI編集部が執筆し、編集責任者が内容を確認しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。

この記事で自分で確かめたこと
・実行日:2026年10月21日(夕方)。内蔵ブラウザで3サービスの公式サイトを開き、新しいチャットで各1回送信
・画面のモデル欄の表記:Gemini「Gemini 自動モード」/ChatGPT「Pro」/Claude「Opus 5.5」
・1問目(担当/内容/期限):有効なToDoの抽出 Gemini 11/11・ChatGPT 11/11・Claude 11/11。取り消し1件・見送り2件の混入 各0/3。延長後の期限(11月5日)・担当の言い直し(石田さんのみ)・相対の期限の日付化(10月20日・10月21日)は3サービスとも正しい。件数の自己申告は3サービスとも11件で行数と一致
・期限を変えた1件の位置:ChatGPT・Claudeは3行目(最初の依頼の位置)、Geminiは10行目
・除外したものの説明:Claudeは5種類を理由つきで列挙、Geminiは前置き1文、ChatGPTは無し
・2問目(期限の早い順):Geminiのみ実行し、11件を正しい順に並べた。ChatGPT・Claudeは未実行
本稿はツギノテAI編集部が、記事末の出典欄に挙げた資料を照合して執筆し、公開前に出典・リンク・日付・署名の機械点検を通しています。
出典:Google Gemini/ChatGPT/Claude(いずれも2026年10月21日に画面で実行)

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