Claude×Blender連携、公式MCPは「安全装置なし」と明記していた。
この記事の読者:個人向け・エンジニア向け(ClaudeやClaude CodeからBlenderを動かしてみたい人。モデリングの経験は問いません)/情シス・DX担当(「BlenderにAIをつないでよいか」と社員から聞かれる立場の人)/全社員・非専門(専門知識がなくても、最初の比較表の左2列だけで、どちらを入れるか決められます)
要点:ClaudeとBlenderをつなぐMCPサーバーは、Blender Labが公開する公式版と、個人開発者によるコミュニティ版「MCP for Blender」(旧blender-mcp)の2系統です。公式版はBlender 5.1以上が条件で、Python APIとドキュメントへの窓口が中心。コミュニティ版はBlender 3.0以上で動き、素材の取り込みや3D生成サービスとの連携まで持ちます。どちらもAIが書いたPythonをBlender内でそのまま実行する仕組みで、公式ページは「データを守る仕組みは無い」と明記しています。仮想マシンか、大事なファイルの無い環境で試すことが前提です。
「Claude Codeに3D素材の大半を作らせた」という海外の個人ゲーム開発者の事例を紹介する投稿が、10月17日の朝からXで広まりました。当方が10月19日に確認した時点で、表示は約17万回、ブックマークは約2,700件です。ClaudeとBlenderをつなぐMCPサーバーは現在2系統あり、検索すると両者の手順が混ざって出てくるため、本稿では違いと入れ方、入れる前に確かめる点を整理します。
MCPは、AIが外部のソフトの機能を呼び出すための共通の取り決めです。Blender本体に生成AIの機能は無く、Blender Foundationの議長は2026年5月1日の声明で、組み込む計画も無いと述べています。2系統とも、Blenderの外側に足す道具です。
結論:Blender 5.1以上なら公式版、素材の取り込みが要るならコミュニティ版
両者の公式資料(公式版はblender.orgのMCP Serverページ、コミュニティ版はGitHubのREADME)の記載を、同じ項目で並べます。右端の列は当方がコードを読んで確認した部分です。
| 項目 | 公式版(Blender Lab) | コミュニティ版(MCP for Blender) |
|---|---|---|
| 作り手 | Blender Lab(blender.orgで公開) | 個人開発者。READMEに「Blender製ではない」と明記 |
| 対応するBlender | 5.1以上 | 3.0以上 |
| Claudeへのつなぎ方 | Claudeのコネクタ一覧に「Blender」として掲載(Anthropic verified)。.mcpb形式の同梱版もあり | uvx mcp-for-blender をMCPサーバーとして登録 |
| 主な用途 | Python APIとドキュメントへの自然言語の窓口。シーンの分析、名前の整理、ノード構成の説明など | オブジェクト・マテリアルの操作に加え、Poly Haven・Sketchfab・Poly Pizzaの素材取り込み、Hyper3D Rodin・Hunyuan3Dでの3D生成 |
| AIが書いたコードの実行 | 実行する。「ガードは無い」と公式ページに明記 | 実行する。BLENDER_MCP_SAFE_MODE=1 で事前検査ができる(既定はオフ) |
| 利用データの送信 | 公式ページに記載なし(当方はソースを確認できず) | 道具の名前・成否・所要時間などの匿名記録は既定で送信。DISABLE_TELEMETRY=true で止まる |
Blenderの最新版は10月19日時点で5.2.2 LTS(9月15日公開)で、最新版ならどちらも選べます。5.0以前を使い続ける事情があるなら、選べるのはコミュニティ版だけです。
公式版の入れ方(Claudeのデスクトップアプリ)
- Blender 5.1以上を用意します。
- blender.orgの「MCP Server」ページからアドオンを入れます。ページのリンクをBlenderへドラッグ&ドロップする場合は、2回必要です。1回目でBlender Labのリポジトリが追加され、2回目でアドオン本体が入ります。この方法だと更新の通知が届きます。
- Claude側では、コネクタ一覧(Marketplace)にある「Blender」を追加します。掲載ページには、アドオンが無いと動かないと書かれています。.mcpb形式に対応したほかのクライアントなら、リリースページの同梱版でも入ります。
Claude Codeへの登録コマンドは公式ページに無く、手順があるとされるSetupのwikiは当方の環境から本文を取得できませんでした。Claude Codeで公式版を使う手順は未確認です。
コミュニティ版の入れ方(Claude Code)
- uvを公式のインストーラで入れます(READMEは
pip install uvを使わないよう注意しています)。 claude mcp add blender uvx mcp-for-blenderで登録します。uvx mcp-for-blender install-addonでアドオンを配置し、Blenderの「編集 → プリファレンス → アドオン」で「Interface: MCP for Blender」を有効にします。- 3Dビューポートで
Nキーを押し、「MCP for Blender」タブの「Start MCP Server」を押します。
READMEにある詰まりどころは3つです。第一に、旧名 blender-mcp は9月16日に改名され、互換パッケージとして残っているため、古い記事の手順でも動きます。第二に、2つのクライアントで同時にサーバーを起動しないこと。第三に、Windowsでスタートメニューから起動したクライアントは端末のPATHを引き継がず、spawn uvx ENOENT で失敗することがあります。uvx を絶対パスで書けば回避できます。
公式ページ自身が「守る仕組みは無い」と書いている
公式版のページには、セキュリティ警告として次の趣旨が書かれています。MCPサーバーは、AIが生成したコードを、データの削除や外部への送信から守る仕組みが無いままBlender内で実行する。データを守るには、仮想マシンか、機密情報にアクセスできない環境を使うことを勧める。
コミュニティ版も同じ構造です。READMEは、任意のPythonを実行する道具 execute_blender_code について、使う前に必ず作業を保存するよう警告しています。さらに、Blender側のアドオンが待ち受ける窓口(既定はlocalhostの9876番)には認証も暗号化も無く、そこに届く人は誰でもBlender内でPythonを実行できる、とも書いています。事前検査の安全モードはありますが、既定ではオフです。
以下は当方の推論です。AIはシーン内のオブジェクト名やテキストを読んで作業するため、他人の.blendファイルや取り込んだ素材に指示めいた文字が紛れていれば、間接プロンプトインジェクションの入口になりえます。実例は確認していませんが、出どころの分からないファイルはAIをつないだまま開かないほうが安全です。
コミュニティ版の送信設定は、READMEとコードで記述が違った
READMEの「Telemetry Control」の節は、利用データの収集への同意が「既定でオン」と書き、集めたデータはAIモデルの学習にも使われうる、としています。
当方は10月19日にPyPIから最新版(mcp-for-blender 2.2.0)を取得し、同梱のアドオンのコードを読みました。同意の設定項目は既定値がオフで、説明文にも「Off by default」とあります。同意しない場合もプロンプト・コード・画面写真は送られませんが、匿名のIDと、使った道具の名前・成否・所要時間の記録は送られます。DISABLE_TELEMETRY=true を入れると、これも止まります。
どちらが現行の方針かは、判断を留保します。確実にするなら、MCPの設定に次の1行を足すのが早いと考えます(READMEの記載例2つを合わせたものです)。
{
"mcpServers": {
"blender": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-for-blender"],
"env": { "DISABLE_TELEMETRY": "true", "BLENDER_MCP_SAFE_MODE": "1" }
}
}
}
入れたあと、何に使えるか
公式ページの使用例は、モデリングより「読む・直す」に寄っています。Blenderの性能測定用のデモファイル「Classroom」で、カメラから見て小さいのにポリゴン数が多い物体を挙げさせたところ、「alphabet」(約2万ポリゴン)と「coat 1」(約3万7千ポリゴン)の2つが出た、と報告されています。ただし同じページは、AIが最初に数えたときは画面表示に効く設定だけを見ていて、coat 1のポリゴン数を2倍にする設定(Solidify)を見落としていた、とも書いています。AIの集計は、人が一度確かめる前提で使うのが妥当です。
コミュニティ版は、素材集めと組み合わせると効きます。Poly Pizzaの素材は約69%がクレジット表記の必要なCC-BYだとREADMEにあり、検索時に licence="CC0" で絞れば表記の要らない素材だけを取り込めます。作った場面はGLB形式で書き出す道具(export_scene)があるため、同じClaude Codeに「書き出したGLBをthree.jsでWebページに置いて」と続けて頼めば、Blenderの作業からブラウザで回せる3D表示までを1回の会話でつなげられます。
選ぶ前に見るのは、Blenderの版と、そのPCに何が入っているか
次の一手は1つです。試すPCに、消えたり外へ出たりして困るファイルが無いかを先に確かめてください。あるなら、仮想マシンを用意してから入れます。版の選び方は、比較表の「対応するBlender」の行で決まります。
この記事で自分で確かめたこと:2026年10月19日に、blender.orgの「MCP Server」ページ(対応版5.1以上、アドオン・クライアント・サーバーの3点、ドラッグ&ドロップ2回、セキュリティ警告、Classroomの使用例と見落とし)、Claudeのコネクタ掲載ページ(Blender Lab製・Anthropic verified・2026年4月追加)、blender.orgのダウンロードページ(5.2.2 LTS・9月15日公開)を原文で確認しました。コミュニティ版はPyPIの互換パッケージblender-mcp 2.0.0(9月16日公開・改名の告知)を確認し、mcp-for-blender 2.2.0を取得して同梱コードを読みました。読んだ範囲は、送信設定の既定値(オフ)、同意なしで送られる項目、送信を止める環境変数3種、待ち受けの既定値(localhost・9876番)、tool を含むデコレータが付いた関数25個(同名の重複を除くと21種、うち1つが execute_blender_code)です。BlenderとClaudeを実際につないで動かしてはいません。公式版のソースコードは取得できず、未確認です。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.19
本記事は、編集責任者の指示のもとAI編集部が執筆し、編集責任者が内容を確認しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。
参考にした主な出典
・Blender「MCP Server」(blender.org、2026年10月19日閲覧)——対応版Blender 5.1以上、アドオン・LLMクライアント・MCPサーバーの導入、ドラッグ&ドロップ2回、セキュリティ警告、Classroomでの分析例と見落とし
・Claude「Blender connector for Claude」(claude.com、2026年10月19日閲覧)——Blender Lab製、Anthropic verified、2026年4月追加、アドオンが必要
・Blender Foundation「Upcoming Blender Development Fund and AI Policies」(blender.org、2026年5月1日公開・10月19日閲覧)——Blenderに生成AI機能は無く、組み込む計画も無いとする議長声明
・Blender「Download」(blender.org、2026年10月19日閲覧)——最新版5.2.2 LTS(2026年9月15日公開)
・ahujasid「MCP for Blender」README(github.com、2026年10月19日閲覧)——Blender 3.0以上、Claude Codeへの登録、アドオンの導入、安全モード、待ち受けの既定値、Poly PizzaのCC-BY比率、送信設定の記載
・PyPI「blender-mcp 2.0.0」(pypi.org、2026年9月16日公開・10月19日閲覧)——mcp-for-blenderへの改名と互換パッケージ化
・Xで話題になった投稿は、個人の投稿のため出典欄には挙げていません。反応の数は2026年10月19日に当方が確認した値です。
※ 送信設定の既定値は、mcp-for-blender 2.2.0のコードを当方が読んで確認したもので、READMEの記載とは異なります。
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