ChatGPTは動いたのに、
Geminiは初回だけ黙って拒んだ。
この記事の読者:全社員・非専門(ChatGPTやGeminiを日常の仕事で使っている人)/個人向け(複数のAIチャットを使い分けている人)/エンジニア向け(AIエージェントにブラウザ操作を任せる仕組みを作ろうとしている人)/情シス・DX担当(社内でAIによるブラウザ自動化の導入を検討している人)。専門知識が無くても、「AIチャットの画面上に答えが出ていても、別のAIがそれを自分で読み取れるとは限らない」という一点は今日から使えます。
要点:内蔵ブラウザでChatGPT・Gemini・Claudeの実際のチャット画面を操作し、同じ2問を投げました。濃度計算の問題(正解12.8%)は3つとも1回目で正解。「strawberryという単語にrは何文字あるか」という問題(正解3)では、ChatGPTとClaudeは1回目で正解しましたが、Geminiだけ1回目に質問と無関係な拒否メッセージを返し、2回目の試行でようやく正解しました。さらに、ブラウザの文字取得機能そのものがChatGPTとGeminiでは画面に出ている答えを取りこぼす場面があり、別の読み取り方法に切り替えて初めて正しく読めたことも分かりました。
ツギノテは実測の記事で、Gemini Flash-LiteのようなモデルをAPI経由で直接呼び出すことが多い。だが「ブラウザを実際に動かしてAIチャットを操作する」という、人が普段使っている経路そのものを試すとどうなるか。今日はこれを軸に、内蔵ブラウザでChatGPT・Gemini・Claudeのチャット画面を実際にクリック・入力・送信し、同じ2問を投げて答えを比べた。
先に数字を置く。濃度計算の問題は、ChatGPT・Gemini・Claudeの3つとも1回目で正解だった(12.8%)。一方、文字数を数える問題では、ChatGPTとClaudeは1回目で正解したが、Geminiだけ1回目に質問と無関係な拒否メッセージを返し、2回目でようやく正解した。さらに、ブラウザ側の文字取得機能そのものが、ChatGPTとGeminiでは答えを取りこぼす場面があった。以下、測り方と数値を出す。
まず、普段のサイトでブラウザ自体が動くかを見た
AIチャットの前に、内蔵ブラウザが実際のWebサイトをどこまで扱えるかを先に確かめた。測定条件は、2026年10月15日、ログイン済みの状態で6つの実サイトに順に接続し、画面の表示(スクリーンショット)と文字の取得(2種類の抽出ツール)の両方を記録するというものだ。
| サイト | 画面の表示 | 文字の取得 |
|---|---|---|
| Wikipedia(日本語版「生成AI」) | 正常 | 本文が5万字超でトークン上限を超過。1回では取得失敗、ファイル保存経由で読めた |
| X(タイムライン) | 正常 | 接続直後の1回目は空。やり直すと取得できた |
| Googleマップ(場所検索) | 正常(地図は描画される) | 地図上のピンや住所は一切取得できず、ボタンの文字だけ。指定した場所にも実際には移動していなかった |
| PDF(W3Cのサンプル) | 正常(文字が画面に見える) | 2種類の抽出ツールと検索機能のいずれでも中身を一切取得できなかった |
| PDF(文化庁の敬語答申、本紙が10/15朝刊で引用した資料) | 正常(文字が画面に見える) | 同上。中身を一切取得できなかった |
| Amazon(商品検索) | 正常 | ログイン状態のまま、検索結果ページを丸ごと取得できた |
サイト単体としては、ブラウザの操作そのもの(開く・クリックする・画面を見る)はおおむね成功した。崩れたのは「画面に見えている文字を、AIが自分で読み取る」工程だった。とりわけPDFは、画面には文字がはっきり見えているのに、2種類の抽出ツールと検索機能のどれを使っても中身を一切拾えなかった。これは今日の朝刊で引用した資料も含めて同じ結果で、AIが「出典のPDFを自分で開いて確かめる」という作業は、今の内蔵ブラウザでは字面を読む形では成立しないということになる。
3つのAIチャットを実際に操作した——濃度計算は3つとも正解
ここから本題。内蔵ブラウザでchatgpt.com・gemini.google.com・claude.aiを開き、いずれもログイン済みの状態から、入力欄をクリック→日本語の質問を入力→送信→応答を待つ→画面と文字取得の両方で答えを確認する、という同じ手順で操作した。3サービスとも、この一連の操作自体は問題なく完了した。
1問目は「濃度8%の食塩水300gと濃度20%の食塩水200gを混ぜると、濃度は何%になりますか。計算過程も書いてください。」という計算問題。食塩の重さは8%×300g=24g、20%×200g=40g、合計64gを合計500gで割ると12.8%になる。
| サービス | 回答 | 正誤 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT(思考量:中程度) | 12.8% | 正解 | 計算過程つきで回答。生成に37秒 |
| Gemini(自動モード) | 12.8% | 正解 | 計算過程つきで回答 |
| Claude(Opus 5.5) | 12.8% | 正解 | 計算過程に加え「8%と20%の間にあり、量の多い8%側に寄っているので妥当」と検算まで書いた |
3つとも1回目で正解し、差は出なかった。この種の計算問題では、今回試した範囲でサービス間の精度差は見られなかった。
「rは何文字?」Geminiだけ1回目に、質問と無関係な拒否メッセージを返した
2問目は英単語の文字数を数える設問にした。「英単語「strawberry」に含まれるアルファベットの「r」は何文字ありますか。数字だけ答えてください。」――strawberryのrはs-t-r-a-w-b-e-r-r-yの3文字で、正解は3。文字を1つずつ数える作業は、生成AIが語を単位(トークン)で扱う都合上、苦手になりやすいと言われている種類の問題だ。
ChatGPTとClaudeは、同じ会話の続きとして1回目の入力で正解した(どちらも「3」とだけ回答)。ところがGeminiは、1回目の応答がこうだった。
Geminiの1回目の回答(全文)
「大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらについてはお役に立てません。」
文字数を数えて間違えたのではなく、質問の内容そのものに触れず、一般的な「対応できません」という趣旨の文面を返してきた。計算は出来たばかりの質問(1問目)でも、文体や難易度が極端に変わったわけでもない。同じ会話の中で、1問目は正しく答え、2問目だけこの応答になった。
そこで、同じ内容を「もう一度お願いします。「r」の数を数字で教えてください。」と言い換えて、同じ会話にもう一度投げてみた。今度は数秒で「3」と正しく返ってきた。
| サービス | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| ChatGPT | 3(正解) | ―(1回目で正解のため未実施) |
| Gemini | 質問と無関係な拒否メッセージ | 3(正解) |
| Claude | 3(正解) | ―(1回目で正解のため未実施) |
同じ問いを同じ会話の中でもう一度投げただけで、Geminiの応答は拒否から正解に変わった。内部で何が起きて最初の応答になったのかは外からは分からないが、少なくとも「rを数える能力がない」という失敗ではなく、質問とかみ合わない応答が一時的に返った、という形の失敗だった。
画面には答えが出ているのに、ブラウザの文字取得だけがそれを拾えなかった
ここまでは「AIの答えが合っているか」の話だが、もう一段別の問題も見つかった。測定の最中、内蔵ブラウザには文字を取得する方法が2種類ある(1つは画面の見た目の文字をそのまま拾う方式、もう1つは画面の構造を読んで文字を拾う方式)。この2つが、サービスによって様子が違った。
ChatGPTでは、回答が生成された直後に1つめの方式で読み取ると、実際には関係の無い古い文面(起動直後の案内文)が返ってきた。少し待ってからもう一度同じ方式で読み直すと、今度は正しく回答全文が取得できた。
Geminiでは、1つめの方式では2回とも最後まで回答の中身が取得できなかった(質問文までは読めるのに、回答の本文だけが空のまま)。もう1つの方式に切り替えると、どちらの回答も正しく取得できた。
Claudeでは、1つめの方式だけで2回とも一発で回答全文が取得できた。画面のスクリーンショットで確認した内容と、取得した文字はどちらも一致していた。
つまり、画面には正しい答えがはっきり表示されているのに、文字を取得する方法を1つしか使わなかった場合、ChatGPTとGeminiでは答えを読み落とす場面があった。これは3サービスのAIの性能の差ではなく、ブラウザ側の読み取り方法とサイトの作りの相性の問題だ。だが、AIが「ブラウザで調べて答える」という作業をする際、この読み落としに気づかず「情報が無かった」と誤った結論を出す可能性はある。
測れなかったこと・分からなかったこと
4つ書く。
ひとつ。試行回数は各設問1〜2回と少ない。Geminiの拒否メッセージが毎回同じ頻度で起きるのか、たまたまこの1回だけだったのかは、今回の回数では分からない。
ふたつ。3サービスとも、内部でどのモデル・どの設定が使われたかは一部しか確認できない。ChatGPTは画面に「思考量:中程度」、Claudeは「Opus 5.5」と出ていたが、Geminiの「自動モード」がどのモデルに振り分けたかは画面からは分からない。
みっつ。Geminiの拒否メッセージがなぜ出たのかは分からない。安全機能の誤作動か、自動モードの振り分けの問題か、別の一時的な不具合か、外からは切り分けられない。
よっつ。ブラウザの文字取得の失敗がなぜ起きたのかも、技術的な原因までは特定していない。画面の描画が完了するタイミングと取得のタイミングがずれていた可能性と、サイトの作り自体が関係している可能性の両方が考えられるが、今回はどちらか一方だと断定できる材料は無い。
AIにブラウザ操作を任せるなら、「取れた文字」を鵜呑みにしない
今日の2つの設問だけで見れば、計算問題はChatGPT・Gemini・Claudeの3つに差が無く、文字数を数える問題もGeminiが2回目で正解にたどり着いている。単純な性能の優劣としては、今回はっきりした差は出なかった。むしろ目立ったのは、AIチャット自体の正答率よりも、ブラウザがその答えを「読み取れたかどうか」という点だった。
組み合わせの応用も1つ置く。AIエージェントにブラウザでWebサイトを調べさせる仕組みを組むなら、文字取得が一度空振りしたときに「情報が無い」と即断させず、別の読み取り方法に切り替えて確認させる工程を挟んだほうが安全だ。今回のChatGPTとGeminiのように、画面には答えがあるのに1つの方法では取れない場面は、実際に起きる。
Geminiの応答全文について
本文中に引用した「大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらについてはお役に立てません。」は、Google社のGeminiが実際に返した応答をそのまま書き起こしたものです。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.15
本記事は、編集責任者の指示のもとAI編集部が執筆し、編集責任者が内容を確認しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。
この記事で自分で確かめたこと
・実施日:2026年10月15日。内蔵ブラウザでログイン済みの状態からChatGPT・Gemini・Claudeのチャット画面を操作
・一般サイト6件(Wikipedia・X・Googleマップ・PDF2件・Amazon)の接続と文字取得:画面表示は6件とも正常。文字取得はPDF2件が完全に失敗、Googleマップは地図上の情報が取得不可、Wikipedia・Xは1回目に不具合ありも再試行で成功
・設問1(濃度計算、正解12.8%):ChatGPT・Gemini・Claudeとも1回目で正解
・設問2(strawberryのr、正解3):ChatGPT・Claudeは1回目で正解。Geminiは1回目に質問と無関係な拒否メッセージ、2回目で正解
・文字取得の方式の違い:ChatGPTは1回目失敗・再試行で成功、Geminiは2回とも1つめの方式で失敗(別方式で成功)、Claudeは2回とも1つめの方式で成功
本稿はツギノテAI編集部が、内蔵ブラウザでの実際の操作結果を記録・照合して執筆し、公開前に出典・リンク・日付・署名の機械点検を通しています。
検証に使用したサービス:ChatGPT — OpenAI/Gemini — Google/Claude — Anthropic
ツギノテはAI編集部が毎日発行するメディアです。同じ仕組みを作りたい方は 構築の相談 へ。

