無料のGemini Flash-Lite、
「ぴったり」と頼んだらまさかの大外れ。
この記事の読者:個人向け(無料のGeminiアプリで書類や通知を読ませている人)/全社員・非専門(会社支給のGeminiで下書きを作っている人)/情シス・DX担当(無料枠だけで業務に使わせてよいか判断する人)/エンジニア向け(gemini-flash-lite-latestをAPI経由で使っている人)。専門知識が無くても、「数字を抜き出させるのは安心、文字数や体裁を細かく指定する作業は人が見直す」という一点は今日から使えます。
要点:無料版Geminiで唯一使えるモデル gemini-flash-lite-latest に、文書から支払期限・金額を抜き出す作業と、ちょうど50文字で要約する作業をそれぞれ8回ずつ投げました。数字の抜き出しと簡単な足し算は16/16で正解。一方、文字数ぴったりの指定は8回とも外れ(44〜54字)、うち2回は実際より少ない文字数を自分で名乗り、1回は支払期限の日付を1月から2月へ書き換えました。
10月9日、無料版のGeminiアプリで使えるモデルがFlash-Liteだけになった。
ツギノテでも10日の速報でこのニュースを伝えたが、実際にFlash-Lite(gemini-flash-lite-latest)を動かして確かめてはいなかった。
そこで今回は、無料ユーザーが日常でやりそうな2つの作業(文書からの数字の抜き出しと、文字数を指定した要約)を、それぞれ8回ずつ投げて確かめた。
先に数字を置く。文書中の金額・日付・条件を聞く抜き出し作業は16/16で正解。一方、ちょうど50文字の要約は8回とも的中せず、44字から54字までばらついた。以下、設計と数値を出す。
架空の「管理組合のお知らせ」で、抜き出しを2段階試した
使ったモデルは gemini-flash-lite-latest(Google AI Studio の無料APIキー経由)。実施日は2026年10月12日、生成の設定(temperature等)はアプリの既定利用を想定しデフォルトのままとした。題材は当方が作成した架空の「マンション管理組合からのお知らせ」で、実在の組合・人物・金額とは関係が無い。
1回目は、支払期限・通常金額・早期割引の条件・割引後の金額・追加費用・分割時の対応の6項目をJSON形式で抜き出させる依頼を8回投げた。2回目は、文面に「10年前の負担額155,000円」という紛らわしい数字と「振込手数料は含まない」という注記を足し、さらに「ベランダ拡張を希望し早期割引も使う場合の合計金額」という足し算(178,000円+42,000円=220,000円)を求める依頼を、同じく8回投げた。
| 試行 | 依頼の内容 | 回数 | 正解数 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 支払期限・金額・割引条件など6項目のJSON抽出 | 8 | 8/8 |
| 2回目 | 紛らわしい旧金額を混ぜたうえでの抽出+合計金額の足し算 | 8 | 8/8 |
結果は16/16で正解。10年前の金額という罠にも引っかからず、178,000円+42,000円の足し算も8回とも220,000円で揃った。出力はJSON形式で固定したので、照合はPythonのスクリプトで機械的に行っている。
「ちょうど50文字」を頼んだら、1回も当たらなかった
次に、同じ文書を「必ずちょうど50文字(句読点込み)で要約してください」という一文で要約させた。前置きを禁じ、要約の文章だけを出す指示にしたうえで8回投げた。
| 回 | 文字数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 44字 | |
| 2 | 51字 | 末尾に「(50文字)」と自己申告 |
| 3 | 52字 | |
| 4 | 51字 | 末尾に「(50文字)」と自己申告 |
| 5 | 51字 | |
| 6 | 45字 | |
| 7 | 47字 | 支払期限を「1月15日」から「2月15日」に書き換え |
| 8 | 54字 | 末尾に「(50文字)」と自己申告 |
8回中0回が50字ぴったり。いちばん近い回でも44字(6字不足)、いちばん遠い回は54字(4字超過)だった。文字数は `len()` で機械的に数えており、改行は含めていない。
自分で数えた文字数まで、3回のうち2回は間違えていた
気になったのは、8回中3回が出力の末尾に「(50文字)」と自分で文字数を書き添えていたことだ。その3回の実際の文字数は51字・51字・54字で、自己申告が正しかったのは0回。字数が合っていないだけでなく、合っていないという事実そのものに気づいていない。文字数を数える作業そのものを任せ、その結果を鵜呑みにするのは危ういとまで言える。
7回目では、日付まで書き換わっていた
さらに1回(7回目)は、要約の中で支払期限を「1月15日」から「2月15日」へ書き換えていた。元の文書のどこにも2月は出てこない。文字数を50字に収めようとする過程で、「一十八万三千円」のような漢数字表記を採用した回もあり、字数調整のために文面を作り変える挙動が、数字そのものの書き換えにまで及んだ可能性がある。原因は当方からは特定できない。
測れなかったこと・分からなかったこと
4つ書く。
ひとつ。今回はAPI経由の実測で、実際のGeminiアプリ(チャット画面)では試していない。アプリ側には別のシステムプロンプトや安全策が入っている可能性があり、同じ挙動になるとは限らない。
ふたつ。生成設定(temperature等)は変更していない。既定値のまま8回投げており、値を変えれば文字数の精度が変わる可能性がある。ここは当方はまだ測っていない。
みっつ。試行回数は各8回と少ない。「文字数指定は必ず外れる」と一般化はできない。今回の文書・指示文・モデルのバージョンでの挙動である。
よっつ。なぜ文字数を外すのかは分からない。日本語の文字数を正確に数える処理がモデル内部にどう実装されているかは公開されておらず、トークン単位の生成が影響しているかどうかも当方からは確認できない。
個人の使い方と、GASと組み合わせる使い方
個人がLINEやメールで届く通知・回覧板・請求のお知らせを読ませるなら、今回の1回目・2回目の形(「期限・金額・条件をJSON形式で抜き出して」と固定の項目で聞く)が実測の範囲では安定していた。逆に「SNS投稿用に50字で」「見出しは20字で」のような文字数指定は、出てきた文字数を自分で数え直してから貼り付けるほうが確実だ。
組み合わせの応用も1つ置く。Google Apps Script(GAS)でGmailの受信トレイを定期的に走査し、新着メールの本文を gemini-flash-lite-latest のAPIへ渡して今回と同じ形式のJSON抽出をさせれば、「請求や回覧の期限・金額だけをスプレッドシートに自動転記する」仕組みを無料枠だけで組める。ただし、同じ仕組みの中で「件名を50字以内に要約してSlackに流す」のような文字数指定の処理を足すなら、今回の結果からは、出てきた文字数を `len()` で検算してから送る一手間を省けない。これも当方は組んでいない。
信じていいのは数字の抜き出しまで、文字数はまだ人の仕事
無料のFlash-Liteは、決まった項目を正確に抜き出す作業では、紛らわしい旧い数字を混ぜても、簡単な足し算を足しても崩れなかった。崩れたのは、見た目には簡単そうな「文字数をぴったり合わせる」という制約だった。しかも、合っていないことに本人が気づかず、「50文字です」と言い切ってくる。無料だから信用するか決めるのではなく、作業の種類で決める。数字を抜き出させる作業は任せてよさそうだが、文字数や体裁を細かく指定する作業は、出てきたものを自分で数え直すところまでが今日の手順に入る。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.12
本記事は、編集責任者の指示のもとAI編集部が執筆し、編集責任者が内容を確認しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。
この記事で自分で確かめたこと
・モデル:gemini-flash-lite-latest(Google AI Studio の公開API)。実施日:2026年10月12日
・JSON抽出(1回目・6項目):8/8で正解
・紛らわしい数字を混ぜた抽出+足し算(2回目):8/8で正解。220,000円の計算も8/8で一致
・ちょうど50文字の要約:8回の文字数は44・51・52・51・51・45・47・54字。50字ぴったりは0/8
・末尾に「(50文字)」と自己申告した回:3回(実際は51・51・54字)。自己申告が正しかったのは0/3
・支払期限の日付を書き換えた回:1/8(1月15日→2月15日)
本稿はツギノテAI編集部が、記事末の出典欄に挙げた資料を照合して執筆し、公開前に出典・リンク・日付・署名の機械点検を通しています。無料版Geminiのモデル変更についての記述は、次の資料によります(2026年10月10日に確認済みの内容を再掲)。
出典:Gemini models — Google AI for Developers(モデル一覧)
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