祝日をまたぐ「3営業日後」、
AIの答えは6回中5回ずれた。
この記事の読者:情シス・DX担当(GASやPythonで営業日を数えるリマインダー・承認フローを組んでいる人)/経営・管理職(AIに日程調整や納期回答を任せている人)/個人向け・全社員・非専門(AIカレンダー秘書やチャットボットと日程をやり取りしている人全般)
要点:「3営業日後までに」「週明けまでに」のような営業日がらみの依頼文を7パターン用意し、基準日だけを渡して期日を即答する作業を実行しました。祝日をまたぐ6パターンのうち5パターンで、土日だけを除く数え方と、祝日も除いた正しい営業日の数え方の答えが1日ずれました。祝日をまたがない控えの1パターンは一致しました。
「来週の月曜までにお願いします」と頼まれて、AIが即座に日付を返してきた。
その来週の月曜が、国民の祝日に当たっていたとしたら、答えは変わるだろうか。
今回は、祝日をまたぐ依頼文をAIに解かせたとき、営業日の数え方がどれだけずれるかを実際に数えた。
測り方——土日だけを除く数え方と、祝日も除いた数え方を突き合わせる
用意したのは、業務でよく使う「営業日がらみの相対日付」の依頼文7パターン。基準日はパターンごとに2026年10月〜11月の実在の日付に固定し、2026年10月12日(月・スポーツの日)と11月23日(月・勤労感謝の日)という2つの祝日のどちらかをまたぐよう設計した。残り1パターンは祝日をまたがない「控え」として置いた。
各パターンについて、まずナイーブな答え(土日だけを除外し、平日を順に数える、もっとも基本的な営業日の数え方。祝日データベースは参照しない)を先に出し、そのあとPythonで正しい答え(土日に加えて2026年の国民の祝日も除外した数え方)を別途計算して突き合わせた。先にナイーブな答えを確定させたのは、正解を知ってから逆算して答えを書く事態を避けるためである。祝日の一覧は内閣府が発表した2026年の「国民の祝日」を用いた。実施日は2026年10月5日、計算の実行はPython 3.10.12、判定は本紙AI編集部が行った。
結果:祝日をまたぐ6パターン中5パターンで、答えが1日ずれた
| 依頼文 | 基準日 | ナイーブな答え | 正しい答え(祝日考慮) | 一致 |
|---|---|---|---|---|
| 「3営業日後までに」 | 10/9(金) | 10/14(水) | 10/15(木) | × |
| 「5営業日後までに」 | 10/7(水) | 10/14(水) | 10/15(木) | × |
| 「週明けまでに」 | 10/11(日) | 10/12(月) | 10/13(火) | × |
| 「連休明けすぐに」 | 10/9(金) | 10/12(月) | 10/13(火) | × |
| 「来週早々に」 | 11/19(木) | 11/23(月) | 11/24(火) | × |
| 「再来週の頭までに」(控え) | 10/8(木) | 10/19(月) | 10/19(月) | ○ |
祝日をまたぐ5パターンは、全部ずれた。祝日をまたがない控えの1パターン(「再来週の頭までに」)だけが一致した。ずれ幅はどれも1日で、方向はすべて同じ——ナイーブな答えのほうが、正しい答えより1日早い。理由は単純で、10月12日(スポーツの日)や11月23日(勤労感謝の日)を、土日と同じ「休み」としてではなく、ただの平日として数えてしまうからである。「3営業日後」と「5営業日後」は、起算日からの平日の数を数える過程で祝日を1枚挟み込むぶんだけ答えが早まり、「週明け」「連休明け」「来週早々」は、月曜そのものが祝日に当たっているのに、その日をそのまま答えにしてしまっていた。
もう1パターン、「今週中に」(基準日:10月5日・月)も用意していたが、これは集計から外した。「今週中」は締切の意味なら今週の営業最終日(金曜)を指すことが多い一方、私生活の言い回しでは日曜まで含めて考える人もいる。正解がひとつに定まらないため、ナイーブ・正しいの2択で○×を付けられない。この種の表現は2026年9月8日の実測記事「相対日付をAIに解かせた精度」で先に扱っており、今回はあえて除いた。
効かなかったこと・分からなかったこと
今回確かめたのは「祝日データベースを参照せずに営業日を数えると、祝日をまたぐケースでずれる」という、ある意味で当たり前の結果である。驚きがあるとすれば、ずれ方が全部同じ方向(1日早い)で、祝日をまたぐ5パターン中5パターンという高い再現性で起きたことだ。
確かめていないことが3つある。まず、依頼文に「祝日も考慮してください」と一言足せば直るのかどうかは、今回は確認していない。次に、同じ依頼文を複数回、あるいは別のモデルに解かせたときに同じ答えになるかどうかも測っていない。最後に、設計者と回答者が同一会話の中にいる点は、他の実測記事と同じ限界として残る——今回は「土日だけを除外する」という数え方の定義そのものを先に固定し、それに沿って機械的に計算しただけなので、恣意性は小さいはずだが、ゼロではない。
確認してほしいのは、祝日データの有無だけ
「3営業日後」「週明けまでに」のような営業日がらみの依頼文をAIやGAS・Pythonの自動処理に解かせるときは、その処理が土日しか除外していないか、祝日も除外しているかを先に確認してほしい。土日だけの処理なら、日本の祝日は年に16日(2026年は振替休日・国民の休日を含め18日)あり、月に1〜2回はどこかの依頼文がまたぐ計算になる。祝日データ(内閣府の「国民の祝日」一覧やカレンダーAPI)を読み込ませるか、少なくとも「祝日を考慮して」と明示するだけで、今回確認した5件のズレのうち、どれだけが防げるのかは次の実測で確かめたい。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.05
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測り方(同じことをやり直すために)
・対象:営業日がらみの相対日付の依頼文7パターン(3営業日後/5営業日後/週明け/連休明け/来週早々に/再来週の頭〔控え〕/今週中〔集計対象外〕)
・基準日:パターンごとに2026年10月〜11月の実在の日付(10/7・10/8・10/9・10/9・10/11・11/19)に固定
・手順:まず「土日だけを除外する」ナイーブな数え方で答えを確定し、その後Python 3.10.12で「土日+2026年の国民の祝日」を除外した答えを計算して突き合わせ
・結果:祝日をまたぐ5パターンは全てナイーブな答えが1日早くずれた。祝日をまたがない控えの1パターンは一致。「今週中」は正解が定まらず集計対象外
・祝日の出典:内閣府発表の2026年「国民の祝日」一覧(スポーツの日10/12・勤労感謝の日11/23ほか)
・環境と実施日:Python 3.10.12(日付計算のみ)、判定は本紙AI編集部、2026年10月5日
※ 実務データ・クライアント固有の設定値・実在の人物名は使用していません

