パナソニックコネクトが「聞くから頼むへ」、
削減は78.8万時間だった。
この記事の読者:経営・管理職/情シス・DX担当(他社のAI活用の数字を稟議や社内検討の材料にしたいが、その数字がどこまで硬いか確かめたい人)/個人向け・全社員・非専門(「AIでこれだけ時短できた」という数字をニュースで見たときに、どこまで額面どおり受け取ってよいか気になる人)
要点:パナソニックコネクトは自社製AI「ConnectAI」の削減時間を2024年から3年連続で公表しており、2025年度は78.8万時間(総労働時間の3.4%)でした。当方が3回の発表を原文で読み比べたところ、削減時間の測定方法の説明が1年目の「社員に回答してもらった」から、2年目以降は「活用データを分析した結果」へと変わっており、対象人数と対象期間の書き方も年ごとに違っていました。
パナソニックコネクトが、自社製のAIアシスタント「ConnectAI」の2025年度実績を公表した。削減時間は78.8万時間、総労働時間の3.4%に当たるという。
同社は2024年6月にも1年目の実績(18.6万時間)を、2025年7月にも2年目の実績(44.8万時間)を発表している。3回とも一次情報として確認できる公式発表である。
当方が3回分の発表を原文で読み比べたところ、削減時間の合計以外に、対象人数や測定方法の説明のしかたが年によって変わっていた。その変わり方を、原文の逐語引用で並べる。
3年分の発表を、そのまま並べる
各年の発表資料から、削減時間・利用回数・1回あたりの削減時間・月間ユニークユーザー率・対象人数を、原文の数値のまま並べる。当方による換算・推定はしていない。
| 発表日 | 対象期間 | 削減時間 | 利用回数 | 1回あたり削減時間 | 月間UU率 | 対象人数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024.06.25 | 2023年6月〜2024年5月 | 18.6万時間 | 139万6,639回 | 約20分 | 非公表 | 約12,400人 |
| 2025.07.07 | 2024年 | 44.8万時間(昨年比2.4倍) | 240万回(昨年比約1.7倍) | 28分(昨年比1.4倍・画像利用36分) | 49.1%(+14.3pt) | 約11,600人 |
| 2026.07.29 | 2025年度 | 78.8万時間(総労働時間3.4%・昨年比2倍) | 361万回(昨年比1.6倍) | 33分(昨年比1.2倍) | 61%(+12pt) | 約11,800人 |
2025年7月の発表タイトルは「パナソニックコネクト、『聞く』から『頼む』へシフトしたAI活用で年間44.8万時間の削減を達成」。2026年7月の発表も、今後の方針として「AI活用を『聞く』から『頼む』へさらに進化させる」という同じ言い回しを使っている。
「回答してもらった」から「活用データを分析した」へ、説明が変わった
1年目(2024年6月25日発表)は、削減時間の出し方を本文ではっきり書いている。「生成AIを活用する際に社員にどれだけの時間が削減できたかを回答してもらった結果、1回あたり平均約20分の削減につながっていることが確認できました」——社員への聞き取り、自己申告による数字だと明記されている。
ところが2年目(2025年7月7日発表)と3年目(2026年7月29日発表)は、どちらも「生成AI活用データを分析した結果」としか書いていない。自己申告のアンケートを続けているのか、システムのログから推定する方式に変えたのか、両方を組み合わせているのかは、公表された本文からは読み取れない。1回あたりの削減時間は1年目「約20分」、2年目「28分」、3年目「33分」と毎年伸びているが、この伸びが社員の使い方の変化によるものなのか、測り方そのものが変わったことによる変化なのかも、当方には区別できない。
対象人数と期間の区切り方も、発表ごとに違う
対象人数は1年目「約12,400人」、2年目「約11,600人」、3年目「約11,800人」と、増えたり減ったりしている。組織変更によるものか、対象範囲の定義を変えたものかは、3回とも書かれていない。
対象期間の書き方も揃っていない。1年目は「2023年6月〜2024年5月」と月まで区切っているのに対し、2年目は「2024年」、3年目は「2025年度」という表記になっている。暦年なのか会計年度なのかが年によって変わっているように読めるが、これも本文中に明確な定義はない。前年比として示されている数字(2.4倍・1.6倍・2倍など)は、この区切り方の違いを含んだまま計算されている可能性があり、単純に「1年間 対 1年間」の比較として受け取ってよいかは、公表資料だけでは判断できない。
効かなかったこと・分からなかったこと
当方が確認できたのは、3回の発表を原文で読み比べ、削減時間・利用回数・対象人数・測定方法の説明の変化を書き出したことだけである。独自に削減効果を測定したわけではなく、掛け算や換算によって発表元にない新しい数値を作ることもしていない。
測定方法が1年目から本当に変わったのかどうか、変わったとすればいつ・どのように変わったのかは、同社に確認しない限り分からない。「総労働時間の3.4%」という割合の元になっている総労働時間そのものの数字も、公表資料には出てこない。
自社の実績を発表するなら、測り方の言葉を毎年そろえておく
持ち帰りは一つ。自社のAI活用実績を社外に発表するなら、削減時間の測り方(アンケートなのか、ログの分析なのか、両方なのか)を、毎年同じ言葉で書き残しておくとよい。対象人数や対象期間の区切り方を変える年があれば、変えた理由も一緒に書いておく。パナソニックコネクトの3回の発表そのものは前年比という形で伸びを示しており、数字を隠しているわけではない。ただ、測り方の説明が年によって変わったことに気づかないまま読むと、3年分の数字がそのまま同じ物差しで並んでいるように見えてしまう。
この記事で自分で確かめたこと:パナソニックコネクトの3回の公式発表(2024年6月25日・2025年7月7日・2026年7月29日)を原文で読み比べ、削減時間の測定方法の説明が1年目の「社員に回答してもらった」(アンケート)から、2年目以降は「活用データを分析した結果」という表現に変わっていること、対象人数(約12,400人→約11,600人→約11,800人)と対象期間の表記(月区切り→暦年→年度)が3回とも異なることを確認した。削減時間・利用回数などの数値そのものは原典の公表値をそのまま引用し、独自の換算・推定は行っていない。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.01
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。
参考にした主な出典
・パナソニック コネクト プレスリリース「パナソニック コネクト 生成AI導入1年の実績と今後の活用構想」(news.panasonic.com、2024年6月25日発表・2026年10月1日閲覧)——「生成AIを活用する際に社員にどれだけの時間が削減できたかを回答してもらった結果、1回あたり平均約20分の削減につながっていることが確認できました」
・パナソニック コネクト プレスリリース「パナソニックコネクト、『聞く』から『頼む』へシフトしたAI活用で年間44.8万時間の削減を達成」(news.panasonic.com、2025年7月7日発表・2026年10月1日閲覧)——「削減時間:44.8万時間(昨年比2.4倍)/利用回数:240万回(昨年比約1.7倍)/1回あたりの削減時間:28分(昨年比1.4倍)、画像利用の場合は36分/月間ユニークユーザー率:49.1%(昨年比14.3pt増)」
・パナソニック コネクト プレスリリース「パナソニック コネクト、AI活用で総労働時間の3.4%削減 AIエージェントの活用を拡大し2030年に10%削減を目指す」(news.panasonic.com、2026年7月29日発表・2026年10月1日閲覧)——「削減時間:78.8万時間(昨年比2倍)/利用回数:361万回(昨年比1.6倍)/1回あたりの削減時間:33分(昨年比1.2倍)/月間ユニークユーザー率:61%(昨年比12pt増)」
※ 3回の発表の数値・引用はすべて原典のままで、当方による換算・推定は行っていません。測定方法の変化についての考察は本紙による読み解きであり、パナソニック コネクトの公式見解ではありません。
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