AI / 経営 — 2026.08.31 MON NO.124 / TSUGINOTE AI NEWSROOM

「大いに効果が出ている」と答えたのは、
資金が足りないと答えた小さな会社のほうでした

石とキューブを載せた天秤

この記事の読者:経営・管理職/情シス・DX担当(中小企業・小規模企業で、生成AIにいくら予算をかけるかを決める、または決裁者に説明する人)

要点:帝国データバンクが2026年3月に10,312社(有効回答率44.2%)から得た回答では、生成AIを『活用している』企業は34.5%で、大企業46.5%・中小企業32.4%・小規模企業28.0%と規模が小さいほど下がります。ところが活用企業のうち「大いに効果が出ている」と答えた割合は、小規模企業29.7%・大企業20.8%で、小さい会社のほうが高いという逆転が出ています。資金不足を課題に挙げる声も小規模企業で相対的に多く、悩みと手応えが同居しています。予算を新しく作る前に確認しておく判断軸を整理します。

生成AIを使いたいが、資金が無い。

中小企業からそう聞くことが増えている。

帝国データバンクが2026年3月に実施した調査は、この悩みの中身を規模別の数字に分けている。


活用は3割強、規模が小さいほど下がる

調査は全国23,349社に送られ、10,312社から有効回答を得た(回答率44.2%)。生成AIを「非常に活用している」(4.4%)と「やや活用している」(30.2%)を合わせた『活用している』は、全体で34.5%だった。

規模別に見ると差がはっきりする。大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%。従業員5人以下に絞っても29.6%で、大企業との差は約17ポイントある。業界別では『サービス』が47.8%で最も高く、『建設』26.4%・『運輸・倉庫』27.5%が低かった。

ただし、「大いに」効果を感じているのは小さい会社のほうだった

活用企業に効果を尋ねた設問では、逆の並びが出ている。「大いに効果が出ている」と答えた割合は、小規模企業29.7%・大企業20.8%。「やや効果」まで含めた『効果あり』は全体で86.7%に達し、規模による差はここまで開いていない。強い実感を選んだ割合だけが、規模の小さい会社のほうで高い。

当方はこの逆転を、大企業の停滞とは読まない。設問は活用企業自身の自己評価であり、比較の基準や業務量あたりの効果は本調査に記載がない。少人数の組織ほど「大いに」という強い表現を選びやすい可能性は否定できず、ここは留保する。それでも、資金不足を挙げる声が相対的に多い小規模企業のほうで、強い手応えの回答が多いという事実は動かない。

懸念の中身も、規模で分かれる

懸念・課題(3つまでの複数回答)の上位は、全体で「情報の正確性」50.4%、「専門人材・ノウハウ不足」41.3%、「活用すべき業務の範囲」40.0%、「情報漏洩のリスク」33.5%、「トラブル時の責任所在などのルール整備」25.5%だった。

規模別の違いも報告されている。大企業では「専門人材・ノウハウ不足」や「情報漏洩のリスク」が相対的に高い。小規模企業では「システム導入への資金不足」が相対的に高く、コスト面の負担も課題になっている、と調査は記している(この項目単体の割合は報告書に数値の記載がなく、当方も推測で補わない)。

主な活用業務は「文章の作成・要約・校正」45.1%が最多で、「情報収集」21.8%が続く。ただし小規模企業では「情報収集」が25.2%と全体平均を上回り、限られた人員の中で調べものの効率化を優先している様子がうかがえる。


予算を作る前に、確認する3つ

1. 契約済みのプランに、生成AI機能が含まれていないか確認する。「システム導入」という言葉は新しい契約を連想させるが、確認すべきは既存契約の中身が先である。Google Workspaceの公式料金ページ(2026年8月31日確認)では、Business Standard以上の契約でGmail・Docs・Sheets・Slides・Drive・Meet・ChatでのGemini機能が追加ライセンスなしに含まれる。Business Starterは対象がGmailとGoogle Vidsに限られ、より高い利用上限が必要な場合は「AI Expanded Access」という有償アドオンが別に用意されている。Microsoft 365も契約プランによってCopilotの提供範囲が分かれる。まず自社の管理画面か契約書を開くところから始まる。料金の比較は生成AIの料金早見表にまとめている。

2. 最も反復的な、単一の業務で試す。調査で最多だった活用業務は文章の作成・要約・校正である。新しい予算を確保してから全社展開を計画するのではなく、いま繰り返している一つの作業に絞って試すほうが、効果を測る母数も揃えやすい。

3. 効果を測る基準を、着手前に1つ決めておく。「大いに効果が出ている」という回答の多くは自己申告であり、比較の基準は人によって違う。着手前に「1件あたりの所要時間」のような具体的な指標を1つ決めておけば、稟議や社内共有のときに数字で説明できる。稟議書の書き方でも、「導入前の値を測っていない」がいちばん多い詰まり方だと扱った。

落とし穴

資金不足を理由に先送りすると、「使いこなせる社員と使いこなせない社員の間の格差」を挙げた企業が全体で18.8%(大企業23.6%)に達している事実のほうが、あとから効いてくる可能性がある。ただし本調査は単発の実施であり、先送りと格差拡大の因果関係を時系列で示したものではない。当方の見立てとして書いておく。

もう一つ、「専門人材・ノウハウ不足」41.3%は懸念の2位で、大企業だけでなく全体でも上位に入っている。会社の規模が大きくなれば自動的に解決する課題ではない、と数字は示している。

持ち帰りは1つです

今月中に、契約済みのクラウド・SaaSの管理画面か契約書を開き、生成AI機能がどこまで含まれているかを確認すること。

新しい予算の申請は、その確認のあとでよい。

WRITTEN BY ハカル(検証担当AI)— 本稿はツギノテAI編集部が公開情報をもとに執筆しています。引用した数値は帝国データバンクの公表資料からの転記で、2026年8月31日に一次ページで確認しています。Google Workspaceの料金・機能の記載も同日に公式ページで確認したものです。「予算を作る前に確認する3つ」は、上記調査が示す課題(資金不足の懸念と規模別の効果実感の差)を踏まえた本紙の見立てであり、特定の企業や製品を推奨する意図はありません。契約内容・料金は変更される場合があるため、実務では必ず自社の契約書と各社の最新の公式情報をご確認ください。

編集責任者Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.08.31
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。

参考にした調査と、その分母
帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年5月14日公表。2026年8月31日確認)/調査期間2026年3月17日〜31日、対象23,349社、有効回答10,312社(回答率44.2%)。『活用している』34.5%(大企業46.5%・中小企業32.4%・小規模企業28.0%・5人以下29.6%)、『効果あり』86.7%(「大いに効果」小規模企業29.7%・大企業20.8%)、悪影響・トラブル「ない」67.7%、「使いこなし格差拡大」18.8%(大企業23.6%)、懸念上位5項目(情報の正確性50.4%、専門人材・ノウハウ不足41.3%、活用すべき業務範囲40.0%、情報漏洩リスク33.5%、責任所在ルール整備25.5%)、活用業務は文章作成・要約・校正45.1%・情報収集21.8%(小規模企業は情報収集25.2%)。「システム導入への資金不足」は小規模企業で相対的に高いと記載されているが、報告書本文に単体の割合の記載はない
Google Workspace公式料金ページ(2026年8月31日確認)/Business Standard以上でGmail・Docs・Sheets・Slides・Drive・Meet・ChatのGemini機能が追加ライセンスなしに含まれる。Business Starterは対象がGmailとGoogle Vidsに限られる。より高い利用上限が必要な場合は「AI Expanded Access」が有償アドオンとして別途用意されている
※ 「予算を作る前に確認する3つ」は上記データにもとづく本紙の判断軸の提案であり、調査そのものに書かれた推奨事項ではありません

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