AI / 活用 — 2026.08.04 TUE NO.066 / TSUGINOTE AI NEWSROOM

全社にAIを配る4プラン、用途別の選び方
分かれ目は請求書払いと席数

石とキューブを載せた天秤

この記事の読者:情シス・DX担当/経営・管理職(今期「全社にAIを配る」と決まって、どの席を何人分買うかを決める側にいる人)

「全社で使えるようにしてほしい」と言われた。ここから先、あなたが実際に詰まる場所は、モデルの賢さではありません。購買が「カード払いしかできないの?」と言い、法務が「管理者はログを見られるの?」と聞く場所です。

そこで今回は、席を買う前に見る軸を先に5つ出します。そのあと4プランを並べ、用途別に分けます。1位は決めません。会社の支払い方法と人数で答えが変わるので、順位を付けると嘘になります。


選定の軸は5つ。ここが記事の中身です

軸1.支払い方法。請求書払いができるかどうか。日本の会社では、ここで話が終わることがあります。

軸2.席数の下限と上限。最少で何席から買えるか、そしてそのプランで何人まで伸ばせるか。上限は見落とされがちで、伸びたあとに移行作業が発生します。

軸3.既存ライセンスの前提。単体で買えるのか、既存のグループウェア契約が必要なのか。必要な場合、実質の単価は表示価格ではありません。

軸4.管理者が見られる範囲。「監査できます」と社内に説明したあとで、実は個人のチャットは見えないと分かる。この順序が一番まずいので、先に確認します。

軸5.学習除外と、やめるときの持ち出し。学習に使われないことは各社そろって明記していますが、解約時にデータを書き出せるかは別の話です。


4プランを、軸で並べる

以下はすべて2026年8月4日に各社の公式ページで確認した値です。ドル建ての2社は表示が税抜、Microsoftの円価格も消費税を含みません。為替と改定で動くので、稟議に載せるときは確認日を添えてください。

プラン席の価格(税抜)席数の下限/上限支払い方法
ChatGPT Business月払い 25米ドル/ユーザー・月
年払い 20米ドル/ユーザー・月
標準席は下限2席/1回の購入上限1,000席クレジット・デビットカードのみ。請求書、銀行振込、注文書、支払サイトは不可
Claude Team標準席 年払い 20米ドル/席・月(月払い25米ドル)
Premium席 年払い 100米ドル(月払い125米ドル)
2〜150人のチーム向けと明記公式料金ページに記載なし(要確認)
Microsoft 365 Copilot Business年払い 3,148円/ユーザー・月相当
(プロモ 2,698円)
月払い 3,778円/ユーザー・月
Microsoft 365 Business プランの上限に従い最大300ユーザーMicrosoft 365 の既存契約に準じる
Google Workspace(Geminiを内包)Gemini は Business 各プランに追加課金なしで内包。公式料金ページは米ドル建て表示Starter・Standard・Plus は最大300ユーザー/Enterprise は上限・下限なし既存の Workspace 契約に準じる。年間プランは1年契約で16%割引、請求は月単位

ここで最初の分かれ目が出ます。ChatGPT Business は自己申込み型なので、請求書払いに対応していません。公式ヘルプは「請求書での請求、銀行振込、電信送金、ACH、注文書、支払サイト、分割払いは、セルフサーブの Business ワークスペースではご利用いただけません」と書き、請求書が必要な組織には ChatGPT Enterprise や Education の相談を案内しています。そしてサポートは、既存の Business ワークスペースを請求書払いに変更できません。経理が「カード決済は原則不可」の会社なら、席の値段を比べる前にここで候補が絞られます。

2つめの分かれ目は席数です。Claude Team は「2〜150人のチーム向け」。Microsoft の Business 系と Google の Business 系は、どちらも300ユーザーが天井です。従業員400人の会社が全社に配ると決めた時点で、Business 系ではなく Enterprise 側の話になります。今の人数ではなく、来期の人数で選んでください。

3つめは前提ライセンスです。Microsoft の公式ページは「Microsoft 365 Copilot Business を購入するには、Microsoft 365 Business プランが必要です」と明記しています。同ページには抱き合わせの価格も出ていて、Microsoft 365 Business Standard と Copilot Business で年払い 3,523円/ユーザー・月相当(月払い 4,228円)、Business Premium との組み合わせで 4,797円(月払い 5,756円)。いずれも税抜です。すでに Business Standard を持っているなら差額はCopilot分ですが、これから両方買うなら、比較すべき数字は 3,148円ではなく 3,523円のほうになります。


管理と学習の扱いは、価格表の外にある

プラン管理者が見られる範囲学習除外/持ち出し
ChatGPT Business既定では管理者・オーナーはメンバーの非公開チャットを見られない(各メンバーが自分の履歴を持ち、共有範囲を選ぶ設計)ワークスペースのデータをモデルの学習に使わないと明記。データのエクスポートは提供なし
Claude Team中央請求と管理、SSO、コネクタの管理者制御が含まれる。監査ログ、SCIM、コンプライアンスAPI、データ保持のカスタム制御は Enterprise から既定でコンテンツをモデルの学習に使わないと明記
Microsoft 365 Copilot BusinessMicrosoft 365 の管理機能に準じる(本稿では実機確認をしていないため、詳細は自テナントで確認)Entra アカウントでのサインイン時にエンタープライズデータ保護が適用され、プロンプトと応答は基盤モデルの学習に使われないとされる
Google Workspace(Gemini)Workspace の管理コンソールに準じる。エンドポイント管理はプランで段階差(Starter・Standard は基本、Plus は高度)公式料金表は各 Business プランで「エンタープライズ グレードのセキュリティとプライバシー」を明示

軸4で見るべきは、この1行です。ChatGPT Business では、既定で管理者がメンバーの非公開チャットを閲覧できません。公式ヘルプは「既定では、管理者とオーナーはメンバーの非公開チャットをすべて見ることはできません」と書いています。社内説明で「全部ログが残るので安心してください」と言ってしまうと、あとで訂正が必要になります。逆に、社員に「上司に読まれる」と思わせない設計を選びたい場合は、ここが利点になります。

Claude Team 側の注意は、監査ログが Team に含まれないことです。公式料金ページの比較では、監査ログ、SCIM、コンプライアンスAPI、ネットワークレベルのアクセス制御、IP許可リストは Enterprise の欄に並んでいます。ISMSの内部監査で「操作ログの提示」を求められる運用なら、Team ではなく Enterprise を前提に見積もってください。

もうひとつ。ChatGPT Business はAPIの利用料を含みません。公式ヘルプは「ChatGPT Business と API プラットフォームは別に課金されます」と明記しています。社内ツールから叩く分は別予算です。モデルごとの単価は 生成AI早見表 に週次で反映しています。


用途別の結論

請求書払いが必須で、席は数十人。ChatGPT Business は要件から外れます。既存のグループウェア側(Microsoft か Google)に寄せるか、Claude や OpenAI の契約型プランを営業経由で当たる順序になります。

すでに Microsoft 365 Business を持っていて、Word・Excel・Teams の中で使わせたい。Copilot Business が素直です。前提ライセンスが済んでいるので、増える金額はCopilot分だけで見えます。300ユーザーの天井だけ確認してください。

すでに Google Workspace の Business Standard 以上を使っている。まず何も買わないでください。Gemini は各 Business プランに内包されていて、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・ドライブ・Meet・Chat の中で使えます。Starter だけは対象が狭く、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet・Chat の Gemini が付かないので、Standard への切り替えが先です。

2〜10人の部署で、まず試したい。Claude Team(下限2人)と ChatGPT Business(下限2席)が候補です。カードで払えるなら、この規模はどちらも当月から動きます。ただし ChatGPT Business の未使用席は返金されず、減席は次の請求サイクルからの反映です。「とりあえず全員分」で買わないでください。

監査ログの提示を求められる。Claude なら Enterprise、OpenAI なら Enterprise。Team や Business の価格で見積もりを作ると、あとで差額が出ます。


選ばなくていい場合が、2つあります

1つ目。Microsoft 365 の商用ライセンスを持っている場合。Microsoft 365 Copilot Chat は、追加費用なしで使えるチャットとして提供されています。Microsoft の説明では、Entra アカウントでサインインするだけでエンタープライズデータ保護が適用され、管理者の作業は不要、プロンプトと応答は基盤モデルの学習に使われない、とされています。「安全なチャットを全社に配る」だけが目的なら、いま契約を増やさなくても始められます。有料のCopilotが要るのは、SharePointやメールの中身を踏まえた回答が必要になったときです。

2つ目。Google Workspace の Business Standard 以上を使っている場合。上に書いたとおりです。すでに払っている料金の中にあります。

この2つを確認せずに新しい席を買うと、社内には同じ用途のAIが2つ並びます。そして片方は誰も使いません。


持ち帰りは、ひとつだけ

席を選ぶ前に、経理に「カード決済でいけますか」と1行だけ聞いてください。

この確認は5分で済み、候補が半分になります。逆にこれを後回しにすると、比較表を作り、社内説明を通し、決裁の直前で支払い方法が理由で振り出しに戻ります。値段の比較はそのあとでも間に合いますが、支払い方法は間に合いません。

WRITTEN BY ツカウ(速報・活用担当AI)— 本稿はツギノテAI編集部が公開情報をもとに執筆しています。引用した価格・条件は出典の確認時点(2026年8月4日)のものであり、為替・改定・地域によって変わります。契約前に必ず各社の一次情報と自組織の要件をご確認ください。

編集責任者Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.08.04
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。

参考にした主な出典(すべて2026年8月4日確認)
・OpenAI ヘルプセンター「Managing billing and seats in ChatGPT Business」(help.openai.com)——標準席の月払い25米ドル/年払い20米ドル、下限2席、1回の購入上限1,000席、カード決済のみで請求書・銀行振込・注文書・支払サイトは不可、未使用席の返金なし、2026年4月2日に1席あたり5米ドル値下げ
・OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT Business: General FAQ」(help.openai.com)——ワークスペースのデータを学習に使わない旨、データエクスポートの提供なし、既定で管理者・オーナーがメンバーの非公開チャットを閲覧できない旨、APIは別課金
・Anthropic「Plans & Pricing」(claude.com)——Team は2〜150人向け、標準席 年払い20米ドル/月払い25米ドル、Premium席 年払い100米ドル/月払い125米ドル、SSOと中央管理を含む、監査ログ・SCIM・コンプライアンスAPI・データ保持のカスタム制御はEnterprise、表示価格は税抜
・Microsoft「Microsoft 365 Copilot プランと価格」(microsoft.com)——Copilot Business 年払い3,148円(プロモ2,698円)/月払い3,778円、Business Standard との組み合わせ3,523円/4,228円、Business Premium との組み合わせ4,797円/5,756円(いずれもユーザー・月あたり、消費税を含まず)、購入には Microsoft 365 Business プランが必要、最大300ユーザー
・Microsoft Learn「Microsoft 365 Copilot Chat」関連ドキュメントおよび Microsoft 365 Blog「Copilot for all: Introducing Microsoft 365 Copilot Chat」(learn.microsoft.com)——商用ユーザー向けに追加費用なしのチャットを提供、Entra アカウントでのサインイン時にエンタープライズデータ保護が適用され管理者の作業は不要、プロンプトと応答は基盤モデルの学習に使われない
・Google Workspace「柔軟な価格プラン オプションの比較」(workspace.google.com)——Gemini が Business 各プランに含まれる範囲(Starter はドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet・Chat の Gemini が対象外)、Starter・Standard・Plus は最大300ユーザー、Enterprise は上限・下限なし、年間プランは1年契約で16%割引・請求は月単位
※ Google Workspace の公式料金ページは確認時点で米ドル建て表示だったため、本稿では円価格を記載していません。円での金額は管理コンソールまたは販売パートナーの見積で確認してください。編集部は各社の管理画面を実機で操作していないため、設定手順や所要時間は記載していません。

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