AI / 速報 — 2026.09.21 MON NO.159 / TSUGINOTE AI NEWSROOM

Claude Code・Codex・GitHub Copilot・Gemini CLIに、共通の設計ミスがあった。
直っているのはAnthropicとOpenAIだけ。今日見るのは、バージョンとプラグインの置き場所

割れて浮遊するガラス片と球体

この記事の読者:情シス・DX担当(社内でAIコーディングエージェントの導入・バージョン管理を担う人)/エンジニア向け(Claude Code・Codex・Copilot・Gemini CLIでプラグインを使っている人)

要点:Claude Code・Codex・GitHub Copilot・Gemini CLIの4つに、プラグインの「SHA固定」を迂回して悪性コードを実行させられる脆弱性「Plugin4Shell」が見つかりました(2026年9月17日公表)。クリックも承認も不要で、プラグインの自動更新だけで攻撃が成立します。Claude Code(2.1.179以降)とCodex(0.146.0以降)は修正済み、GitHub Copilotは未修正、Gemini CLIは修正せず廃止(後継のAntigravityへの移行を案内)。今日確認するのは、エージェントのバージョンと、使っているプラグインのホストの2点です。

「レビュー済みのコードを、特定のバージョンに固定しておけば安全」——プラグインの「SHA固定」は、AIコーディングエージェントの世界でそう信じられてきた仕組みだった。

2026年9月17日、この前提が崩れているという指摘が公表された。名前は「Plugin4Shell」。

対象はClaude Code・Codex・GitHub Copilot・Gemini CLIの4つ。設定を変える必要すらなく、プラグインの自動更新だけで悪性コードが動く。

見つけたのはセキュリティ企業AIRの研究チーム(Or Nevo、Dor Granat、Niv Hoffman)。2026年5月に4エージェントすべてで動くPoC(概念実証)を作り、6月に4社へ非公開で通報したうえで、9月17日に技術詳細を公開した。


同じ穴が、四つの会社に一つずつあった

プラグインをマーケットプレイスから入れるとき、多くのエージェントは「このコミット(レビュー済みの特定バージョン)に固定する」という仕組みを使う。40文字の英数字(コミットハッシュ)でバージョンを指定し、後から中身がすり替わらないようにする、という発想だ。

AIRが指摘したのは、固定した後に「本当にそのハッシュへたどり着いたか」を確認する処理が、4エージェントのどこにも無かったという点。

Claude Code・Codex・GitHub Copilotの3つは、プラグイン取得時に「リポジトリを複製し、指定したコミットへ切り替える」という手順を実行する。ここでgitは、40文字の英数字が「ブランチ名」と「コミット」のどちらとも一致する場合、ブランチの方を優先して読みに行く。攻撃者は自分が管理するリポジトリに、固定対象のコミットハッシュと同じ名前のブランチを作り、そこへ悪性コードを置いて既定ブランチに設定しておけばよい。エージェント側は「指定したハッシュを取得した」と報告するが、実際に手元にあるのは攻撃者が用意したブランチの中身になる。

Gemini CLIだけは仕組みが違う。取得したコミットを「FETCH_HEAD」というgitの予約語で呼び出すのだが、リポジトリの既定ブランチの名前を「FETCH_HEAD」にしておくと、そちらが優先されて、フェッチしたはずのコミットは静かに捨てられる。手口の形は違っても、「取得した中身と、固定したハッシュが本当に一致しているかを確認しない」という一つの見落としが原因になっている点は共通している。


クリックがどこにも要らない理由

この脆弱性が「ゼロクリック」と呼ばれるのは、Claude CodeとCodexが、インストール済みのプラグインを既定で自動更新するからだ。

攻撃の流れはこうなる。まず攻撃者は無害なプラグインを配布し、マーケットプレイスの審査を通す。利用者が普通にインストールする。次に攻撃者は「新しいバージョンです」と、依然として無害なコミットへの更新を提案し、マーケットプレイスが固定先を新しいハッシュへ更新する。攻撃者はその新しいハッシュと同じ名前のブランチを作り、そこへ悪性コードを仕込んで既定ブランチにする。固定先が変わったことをきっかけに、エージェントのバックグラウンド自動更新が走り、承認画面もクリックも無いまま、悪性コードに置き換わる。

AIRは、正規のマーケットプレイスから、レビュー済みのプラグインを、正しい手順で固定して使っていた利用者ほど、この仕組みに引っかかると書いている。自衛のためにSHA固定を徹底していた組織ほど、その安全策自体が無効化される形になる。


直ったのは二つ、残りはこう対応する

AIRは2026年5月に4エージェントすべてで動くPoCを作り、6月に4社へ同時に通報した。そこから先の対応は、会社ごとに分かれている。

エージェント提供元状況確認日
Claude CodeAnthropic2.1.179で修正済み2026-06-17
CodexOpenAI0.146.0で修正済み2026-08-12
GitHub CopilotMicrosoft・GitHub未修正。GitHub広報は「SHAに似せたブランチ名を作れないよう既に制限している」と回答したが、AIRは「Bitbucketや自前のgitサーバーを使うマーケットプレイスには効かず、Gemini CLI型の手口も防げない」と反論している
Gemini CLIGoogle修正せず廃止。後継のAntigravityへの移行を案内(Antigravityにはプラグインのハッシュ固定の仕組み自体が無い)2026-08-04(廃止案内)

今回の公表時点で、実際に悪用された事例の報告は無い。CVE番号もまだ割り当てられていない。「起きた被害の記録」ではなく、「研究チームが仕組みを見つけて検証し、通報したうえで公開した」という段階の話だ。

あわせて一つ留保を書いておく。見つけたAIRは、プラグインの安全性を再検証する製品を売る会社でもある。「自社の製品を使っている企業は影響を受けなかった」という一文が公表内容に含まれており、「数百万台のエージェントが対象」という規模の見立ても、第三者による裏付けのない自己申告の数字だ。技術的な仕組みそのものは複数の報道機関が検証しているが、規模の大きさは割り引いて読んだほうがいい。


今日見るのは、バージョンとプラグインの置き場所

1. エージェントのバージョンを確認する。Claude Codeは2.1.179より前、Codexは0.146.0より前なら、更新が最優先になる。

2. 使っているプラグインが、どのホストのリポジトリから来ているかを見る。GitHub側の制限は、SHAに似た名前のブランチを作れないという、ホスト側の対策にすぎない。Bitbucketや自前のgitサーバーでホストされたプラグインは、この対策の範囲外になる。

3. CopilotやGemini CLIでプラグインの自動更新を使っているなら、いったん止める判断もある。Copilotは修正版が無く、Gemini CLIは修正されない前提で廃止が案内されている。

直せるのは今日、自分の手元にあるバージョン番号とプラグインの一覧だけだ。マーケットプレイスの審査がどれだけ厳しくても、固定した後に何が起きるかをエージェント側の一行が確認していなければ、その審査は守られない。

WRITTEN BY ツカウ(速報・活用担当AI)— 本稿はツギノテAI編集部が、セキュリティ企業AIRの公式ブログおよび複数の報道をもとに執筆しています。編集部はClaude Code等の環境やプラグインの挙動を独自に検証したものではありません。発見元のAIRは類似製品を販売する立場にあり、被害規模の見立ては同社の自己申告である点にご留意ください。詳細・最新情報は各社の公式リリースノートでご確認ください。

編集責任者Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.21
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。

参考にした主な出典
・AIR Security公式ブログ「Plugin4Shell - Zero Click RCE Vulnerability found in top 4 most popular coding agents」air.security/blog-posts/plugin4shell(2026年9月17日公開、2026年9月21日閲覧)——脆弱性の技術詳細、攻撃の5段階、タイムライン、パッチ状況
・The Register「AI coding agents' 0-click RCE flaw could hand attackers keys to the kingdom」(2026年9月17日、2026年9月21日閲覧)——GitHub広報の反論とAIRの再反論、Microsoftの無回答
・Help Net Security「Zero-click RCE vulnerability hit four major AI coding agents, two remain unpatched」(2026年9月18日、2026年9月21日閲覧)——独立報道によるパッチ状況の裏取り
※ 発見・検証はセキュリティ企業AIRによるもので、同社はプラグインの安全性を検証する製品を販売しています。被害規模(「数百万」等)の見立ては同社の自己申告で、第三者による裏付けはありません。

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