新しく生成AIをAPIに組み込む見積もりを、また作り直すことになった
各社の最上位モデル4つ、入力単価はいま$10か$2のどちらかしかない。
この記事の読者:情シス・DX担当/経営・管理職(社内向けの新しいツールやワークフローに、どのベンダーのAPIを使うか、これから決める人)
要点:2026年9月、OpenAIのGPT-6 Astra(9月4日公開)とAnthropicのClaude Fable 5.1(9月1日公開)は、ともにAPI標準単価が入力$10・出力$50でそろいました。Google Gemini 3 ProとxAI Grok 4.6は入力$2台です。選ぶ軸は単価だけでなく、キャッシュ再利用時の単価・大規模プロンプトでの変動・公表ベンチマーク・提供状況の5つ。会話や前提を毎回使い回す設計ならFable 5.1のキャッシュ単価が効き、コストを抑えたいならGemini 3 ProかGrok 4.6が候補になります。
また見積もりを作り直すことになりました。
新しく生成AIをAPIで組み込む相談が、社内から来たところです。
今週だけで、GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1という名前が並びました。
で、単価を見て手が止まります。両方とも、入力$10・出力$50です。
一方でGoogleのGemini 3 ProとxAIのGrok 4.6は、入力$2台のままです。
同じ「最上位モデル」という括りの中に、5倍の開きがある単価が並んでいます。
先に言うと、高いほうが常に正解ではありません。あなたの契約がこの4つのどれかを選ぶ場面なら、選ぶ軸を1つずつ見てください。
選ぶ軸は5つ
比較の軸を先に置きます。
- 単価そのもの — 入力・出力、100万トークンあたりの基本料金
- キャッシュ再利用時の単価 — 同じ前提・会話履歴を繰り返し送る設計に効く
- 大規模プロンプトでの変動 — 20万トークンを超えたときに単価が上がるか
- 公表ベンチマーク — 各社発表の数値(自社発表である点に留意)
- 提供状況 — 今日から使えるか、高速化オプションの有無
1つ目から順に見ます。あなたの用途がどこに当たるか、確認しながら読んでください。
単価そのものは、大量の入力を投げるか、長い出力を作らせるかで効き方が変わります。実務のコストはたいてい出力側の単価×出力量で決まるので、入力が安くても出力が高いモデルは、生成が多い用途ほど請求が膨らみます。
キャッシュ再利用時の単価は、同じシステムプロンプトや長い前提を毎回使い回すエージェント型の設計で効きます。標準の入力単価に対して何倍で読み取れるかが各社ばらばらで、ここを見落とすと単価表の入力・出力の列だけでは見えないコスト差が出ます。
大規模プロンプトでの変動は、長文の資料や大きなコードベースを毎回まるごと投げる設計に効きます。20万トークンという同じしきい値の前後で、単価が2倍になるベンダーとならないベンダーが分かれています。
公表ベンチマークは、参考にはなりますが鵜呑みにはできません。発表元が自社で測った数字がほとんどで、第三者が同じ条件で測り直したものではないためです。
提供状況は、地味に効きます。発表されたばかりのモデルは、限定組織への先行提供から始まり、全面提供まで数日かかることがあります。今日から使いたいのか、来週で構わないのかで、選べる範囲が変わります。
4モデルを軸で並べる
2026年9月5日時点で、各社の公式発表・公式ドキュメントで確認できた範囲を並べます。料金は米ドル・100万トークンあたりの標準単価です。
| モデル | 入力/出力 | キャッシュ再利用 | 大規模プロンプト(20万超) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra (OpenAI) | $10.00/$50.00 | 別料金設定あり。倍率は公式発表に未記載 | 公式発表に記載なし | 2026年9月4日発表。Fast modeは2倍速・2倍単価($20/$100)。数日内にChatGPT全プラン・API・Azure・Bedrockへ拡大 |
| Claude Fable 5.1 (Anthropic) | $10.00/$50.00 | 読み取り$0.25(標準入力の0.025倍) | コンテキスト上限内なら単価は変わらない | 2026年9月1日公開、Claude Codeの既定モデルに設定。前世代Fable 5のキャッシュ読み取りは0.1倍($1)だった |
| Gemini 3 Pro (Google) | $2.00/$12.00 | 読み取り約$0.20 | $4.00/$18.00に上昇 | 思考トークンも出力側で課金される |
| Grok 4.6 (xAI) | $2.00/$6.00 | 短文$0.50/長文$1.00 | $4.00/$12.00に上昇 | コンテキスト50万トークン。前世代Grok 4.5と入出力単価は同額 |
表の外で1つ補足します。GPT-6 Astraのキャッシュ料金は、2026年9月5日時点でOpenAIの発表ページに具体的な倍率の記載がありませんでした。本紙が確認できたのはここまでです。契約前に、開発者向けドキュメントで数字が出ているか確認してください。
公表ベンチマークについては、OpenAIが発表と同時に自社測定の比較表を出しています。Astraが上回った項目を3つだけ拾うと、コーディングを問うTerminal-Bench 4.0で57.9%対55.8%、大学院レベルの科学知識を問うGPQA Diamondで96.0%対93.7%、数学のFrontierMath Tier4で97.6%対87.8%——いずれもClaude Fable 5.1との比較です。ただしこれはOpenAI自身が測った数字で、Anthropicが同じ条件で測り直した数字ではありません。Gemini 3 ProとGrok 4.6は、この比較表そのものに入っていません。
用途別の結論
複雑なエージェント処理・コーディングを最優先で、コストは二の次なら、GPT-6 Astraです。公表ベンチマークで軒並み上回っていますが、自社発表である点は差し引いて読んでください。
同じ会話履歴や長い前提を毎回使い回す設計なら、Claude Fable 5.1です。キャッシュ読み取りが標準の0.025倍と、4モデルの中でいちばん有利です。
まとまった性能を保ちつつコストを抑えたいなら、Gemini 3 ProかGrok 4.6です。入力単価はどちらも$2ですが、出力はGrok 4.6が$6、Gemini 3 Proが$12。出力の多いワークロードなら、Grok 4.6のほうが軽くなります。
20万トークンを超える巨大な文書を毎回投げるなら、Gemini 3ProもGrok 4.6も単価が2倍に上がる点を先に計算してください。GPT-6 AstraとFable 5.1は、コンテキスト上限内であれば単価が変わりません。
選ばなくていい場合
社内の議事録要約や定型の下書き程度なら、この4つのフラッグシップは要りません。Claude Sonnet 5($2/$10)、Grok 4.3($1.25/$2.50)、Gemini 3.7 Flash($0.75/$3.75、2026年12月末までの導入価格)といったミッド・軽量帯で足ります。
フラッグシップは、複雑なエージェント処理・コーディング・研究用途に温存したほうが、費用対効果が合います。
持ち帰りは1つです。契約前に、自社のワークロードで「同じ前提を何回使い回しているか」を1回数えてください。キャッシュ再利用率が高いほど、単価表の入力・出力の列より、キャッシュの列のほうが効いてきます。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.05
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。
出典
・Anthropic公式「Pricing」platform.claude.com/docs/en/about-claude/pricing(確認日: 2026-09-05)
・OpenAI公式「GPT-6 Astra: A new generation of intelligence」openai.com/index/gpt-6-astra(確認日: 2026-09-05)
・xAI公式「API Pricing」docs.x.ai/developers/pricing(最終更新: 2026-08-21、確認日: 2026-09-05)
・Google Gemini API公式料金ページ ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing、および本紙ai-models.html掲載のGemini 3.1 Pro単価(確認日: 2026-09-05)
※ 料金・提供条件は変更が早い分野です。契約前に必ず各社公式ページでご確認ください。

