GLOSSARY — AI用語辞典 TSUGINOTE AI NEWSROOM

モデル退役

モデル退役(model deprecation/デプリケーション)とは、AIベンダーが提供中のモデルを段階的に終了させ、最終的にAPIから削除すること。多くの場合、①非推奨の告知 ②旧モデル扱いでの継続提供 ③削除、の3段階を踏む。告知から削除までの最低期間は各社が公表しており、2026年8月時点でOpenAIは一般提供モデルで最低6か月、Anthropicは最低60日、Amazon Bedrock は Legacy 入りから EOL まで最低6か月。

「使えなくなる」という一点だけを見ると突然の出来事に思えますが、実務上は日付の決まった手続きです。難しいのは、どのモデルがいつ終わるかではなく、自分がどのモデルを何本使っているかを誰も数えていないことのほうにあります。

段階の呼び方が、会社ごとに違う

語彙が統一されていないため、同じ状態を指す言葉が複数あります。Anthropic は Active/Legacy/Deprecated/Retired の4段階。Amazon Bedrock は Active/Legacy/EOL(End-of-Life)の3段階で、Legacy の後半に「公開延長アクセス」という値上がりを見込む区間を挟みます。OpenAI は「deprecation」を告知そのものの意味で使い、実際に止まる日を shutdown/sunset と呼び分けます。読み替えの起点は「まだ動くか」「いつ止まるか」の2点だけで足ります。

注意点:終了日は、モデルではなく窓口に付いている

同じモデルでも、提供元のAPIから使うか、Amazon Bedrock や Google Cloud のような再販プラットフォーム経由で使うかで、退役日が異なります。実例として Claude Sonnet 4 は、Anthropic のAPIでは2026年6月15日に退役し、Amazon Bedrock では EOL が同年10月14日でした。差は122日。各社のドキュメントは「自社の日付だけが適用される」と互いに明記しており、矛盾ではなく仕様です。単価やリージョン対応と同じく、モデル名だけでは決まらない項目のひとつだと考えるのが安全です。台帳を持たないまま使い続けると、シャドーAIエージェント・スプロールと同じ形で、止まる日を誰も把握していない状態が生まれます。

実務での確認手順は、日付の暗記より棚卸しが先です。利用中モデルの一覧は、Anthropic なら Console の Usage からのCSVエクスポート、Amazon Bedrock なら ListFoundationModels 応答の modelLifecycle フィールドで取得できます。

出典: Amazon Web Services「Model lifecycle - Amazon Bedrock」/Anthropic「Model deprecations」(Claude Platform Docs)/OpenAI「Deprecations」(いずれも2026年8月1日閲覧)

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