GLOSSARY — AI用語辞典 TSUGINOTE AI NEWSROOM

フィジカルAI

フィジカルAI(Physical AI)とは、AIがチャット画面を出て、ロボットなどの物理的な身体を得て、実世界を知覚・判断し、行動まで実行する技術領域のこと。NVIDIAが2025年のCES基調講演で次の主戦場として掲げ、ヒューマノイドの工場・倉庫導入とともに広まった。

文章や画像を生成するAIが「デジタル空間の労働」を担うのに対し、フィジカルAIは物を運ぶ・仕分ける・組み立てるといった物理空間の労働を担います。カメラ等の知覚から動作の生成までを一つのAIモデルで結ぶ方式(VLA:視覚・言語・行動モデル)が中核技術です。

数字で見る

Figure AIのヒューマノイドはBMWスパータンバーグ工場で約10か月にわたり実運用され、3万台超のBMW X3の生産に貢献。2026年7月には後継機Figure 03が部品のシーケンシング作業へ投入されました。Agility RoboticsのDigitは物流大手GXOの倉庫で累計10万トートの搬送を達成しています(いずれも各社発表)。

本質

問題は「動けるか」ではなく、物理空間で失敗したときの責任と安全を誰が設計するかにあります。ソフトウェアのエージェントなら失敗は画面の中で済みますが、身体を持ったAIの失敗は物と人に届く——導入の本丸は運動性能ではなく、安全基準・責任分界・稼働データの取り決めです。

出典: NVIDIA CES 2025基調講演/BMW Group プレスリリース(2026年7月)/Figure AI「F.03 Arrives at BMW」/Agility Robotics「Digit Moves Over 100,000 Totes in Commercial Deployment」